カテゴリー:美味しいお店

第14回 中華料理 たんぽぽ  二島 孝夫さん

気軽に安心して来ていただける中華料理のお店

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国道24号線沿いに店舗を構えます 中華料理 たんぽぽ
オ-ナ- シェフ 二島 孝夫 さんにお話を伺いました。

-中華料理店を始められたきっかけを教えていただけますか。 

「私がここで中華料理店を営んで8年目になります。最初は両親がお好み焼き店をしていたんですよ。私はその頃、大阪の中華料理店でお世話になって働かせてもらっていたんですね。
そして、そろそろお店を持とうかと思っていた頃、両親もちょうど引退を考えていた頃で・・・場所も国道沿いでお客様も大勢来ていただいていましたので、ここで開店させていただくことになりました。それがきっかけですね。」

 

-料理の中で中華料理を選ばれたのはなぜですか。 s-DSC00735

「商売はしたかったんです。それでみなさんに馴染んでもらいやすい料理で、よく食べますし、僕も好きだし、中華料理が一番馴染みやすい料理かなと思いまして・・・・・。
大阪の学校へ通い、大阪の中華料理店の厨房に入らせてもらって修行、朝からス-プ作りをして・・・そして五條でお店を持って・・・そんな感じですね。」

 

-お店の名前“たんぽぽ”さんの由来は?

「名前は、最初に覚えてもらいたいと思いまして、中華料理のお店は沢山ありますよね○○軒など難しいじゃないですか、親しんでもらいたいと思えば解りやすく、覚えやすく、馴染みやすくと思って“たんぽぽ”と付けました。」

 

-お店の特徴を教えてください。

「これがあまり無いというか、強く個性を出さないようにと思っていまして、みなさんが中華料理店へ出かけて食べたいと思われている料理を作ろうと・・・、から揚げも酢豚もお客様が好んでいる、思っているような味の料理をお出しすることができたらと・・・・・。
普通が良いかなぁと思っているんです。来ていただいたお客様に美味しい、また食べたいと思っていただければそれだけで・・・・・。 後は見てのとおり、お手頃価格の気軽に安心して来ていただける中華料理の店です。」

 

-メニュ-も豊富で、ミニサイズの『小』もありますね。

「メニュ-の品数は数えたことはありませんが、s-P1010191みなさんお馴染のメニュ-・ランチメニュ-です。品揃えのほうはどうなんでしょうね。 最初メニュ-には、『小』はして無かったのですが、お客様から食べきれずに『多い・多いなぁ。』と言う声を聞いて2.3年それからメニュ-に加えました。(笑)
最初は食べきれずに注文していただいていると思っていたのですが、例えば4人のグル-プで来られて2.3品じゃなくて6品、7品を食べたいというお客様もおられますので、『小』も良いんだなぁと。料理の品数を増やしたいと考えられている方々には人気があります。」

 

-人気のメニュ-は?

「ラーメンに餃子、からあげ、鳥なんばん、肉団子、天津あんかけチャ-ハン・・・・・などもよく注文が入りますね。」

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-ちりとり鍋も美味しそうですね。s-DSC00758

「これは、私が美味しそうと思ったのと、お店では大きな汁物を用意するのは大変なのでお鍋と鉄板の間でこれなら出来ると思って、しかも店の材料で出来るのでメニュ-に加えました。
ちりとり鍋は夏でもバンバンと注文が入るんですよね。隣のテ-ブルで食べているのを目にすると、美味しそう!食べたい!と思っていただけるのでしょうか、一つのテ-ブルで注文が入ると続いて隣のテーブルからも注文が続くことが多いですね。(笑)」

 

-お商売の魅力は何ですか。

「お客様から美味しかったと聞けるのは嬉しいですし、私は大阪生まれの大阪育ちで五條に帰ってくるまでは、知り合いもいなかったんですよね。そんな中、ほかの場所で出会っても気軽に声を掛けていただける、繋がりが持てる、話をするのは苦手なんだけど皆さんに知っていただいていることが有り難いですね。」

 

-食材ですね竹の子が有りますよ。 

「そうなんです。竹の子の季節には、私が掘って来た竹の子や、みなさんからs-DSC00710いただいた竹の子全てを、あく抜き(下調理)をしてビン詰にしてs-DSC00713保存しています。ビンの蓋がへこんでいますよね、密封で春の香りがそのまま保存出来ます。(マスタ-が瓶の蓋を開けてくださいました。瓶には春の香りがぎっしりと詰まっていました。)お客様にも安心して食べていただけます。」

(愛犬のリリ-と竹の子堀りに。)

 

-話は変わりますが、壁に掛けられている物は笛ですか? s-DSC00706

「これは、お箸(箸と箸箱)です。」

-エッ、お箸ですか。すごいですね。

s-DSC00701「元々釣り竿を作られていた方で、自分達のグル-プ用にと作ってくれましてね、このように竿を作る材料と一緒ですよね、お箸掛けも手作りでマイ箸有り難いです。他にもこの方は、向かいの温泉(金剛の湯)には、お寺の模型を置いてはりますね。」

 

-マスタ-は大阪のお店で修行され五條でお店を持とうと思われたのは、ご両親が暮らしていたからですか。

「それもありましたし、結構昔からこちらへは、サイクリングや釣りをしに自転車に乗って遊びに来ていたんですよね。五條を通って・・・・・。
その頃から五條は良いなぁ、山があって、川があって自然の中で・・・・都会と違う暮らしも良いかなぁと思っていたんですよ。」

 

-ありがとうございます。五條っ子にとって嬉しいお言葉をいただきました。

「たぶん都会の方は、良いなぁと思っている方も大勢いると思いますよ。」

 

-マスタ-が今大切にしていることや今後の夢を教えてください。

s-DSC00736「来店していただいていますお客様は、リピ-タ-の方や、開店当初から来ていただいている方が大勢いますので、同じようにず-と安心して来ていただけるように、変わらず・変わったように思われずに・・・おもてなしを・・・・・。
このまま続けられることができると良いんですけれどね。」 

 

-本日はありがとうございました。

 

店  名     中華料理  たんぽぽ
住  所     五條市二見1丁目1-4 (リバ-サイドホテル向かい)
TEL      0747-23-5233
営業時間     11:30~14:00  17:00~22:30
定休日      火曜日
駐車場      有

 

昔からある日本の食文化ではないのにこんなに皆さんに愛されている中華料理、濃厚な味や辛さが白いご飯に、ビールにお酒に良く合います。家庭でも挑戦していますが、お店のように作ることが出来ません。やっぱり火力のせい、調味料のせい、私の腕のせい(苦笑)
それなら・・・教えていただいた竹の子保存に挑戦します。来春はマスタ-に良い報告が出来ますように・・・(笑)
それなら・・・マスタ-の温かい人柄が感じられる居心地の良い空間へ、心もお腹もいっぱいにしに・・・・・。(オードブルやお持ち帰りも用意していただけます。)

 

 

 

第13回 パン工房 ヤムヤム  前田 義和さん

 

「こだわる」というよりか「自然体」でさせてもらってます

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―パン工房 ヤムヤムさんがお店を始められるまでの経緯を聞かせてください。

(前田義和さん 以下同)僕自身がパン屋さんをしたいなって・・・ そこからです。高校卒業後、まず専門学校で1年間基礎から学び、その後宝塚で3年、滋賀で2年修行させてもらって、2001年、地元であるこの五條市でお店を開店しました。

―パン屋さんをしたいなっていうのは子供の頃からの夢だったんですか? 

いえ、そういう訳ではないんですが、きっかけとして僕が高校3年生の時だったでしょうか、「バブル崩壊」の時代だったんです。何だかすごいことになったみたい・・・という印象がありました。そこで単純にこれからは飲食業が堅いんじゃないかと思いまして。飲食業でも色々ありますが、あまり深く考えたという感じはなく直感的に「パン」が一番自分に向いてるかなって思ったんです。

―店名 yum yum (ヤムヤム)というのは・・・?

英語で、そして幼児ことばで「おいしい」って意味なんです。s-DSC00650そこには、子供に安心して食べさせられるものを作りたいという思いがありました。丁度僕も子供が産まれた時期、そしてオーガニックだとか有機、食品添加物、アレルギーの事などが取り上げられていた時代でもあったんです。ですが、それもあまり硬くこだわる感じではなく日々口にするパンを子供がおいしいね!って笑顔になれるような・・・そういう素朴で自然な感じでとらえてるんです。

―安心安全なものというとやはり材料ということでしょうか?

そうですね。できる限り自然派で、地元産の小麦、ライ麦、米粉、もち粉・・・都会のパン屋とは違って、この周りには美味しい水や、仲間の作る麦や野菜、果物が揃っています。地元産は安くて美味しくて食材として持ってる力が強いんです。主にそういった食材を使って安心安全でそして安く買っていただけるパンを作っています。

―アレルギーへの取り組みもされてるそうですね。

僕自身の子供が食物アレルギーで苦しんでいた事もあって、そこから乳・卵などのアレルギーでパン食を我慢している子供たちも安心して食べられるパン、「卵や牛乳が入ってなくても美味しいパン」を作ったんです。.

―材料へのこだわりやアレルギーへの取り組み、美味しいパンづくりの為に色々と考えておられるのですね。

でもね、そんなガチガチに捉えている訳ではないんですよ。素材に関してもできるだけ地元産で、天然でというだけで、作るパンの用途、特性によってそれ以外の素材も必要です。アレルギー対応パンも置いてますけど、それに特化した店ではありません。食べて、「あ、美味しい、また食べたい」って思う安全なパンを作ろう・・・s-DSC00620それだけなんです。最初からあまり前置きや説明を色々つけてしまうのではなく、ベースはパン屋さんとして、美味しそうだな、食べてみたいな・・から徐々に深まりそこから質問や、例えばアレルギー対応でこんなパンが食べたいなという要望があればできる範囲で応えていけたらという考えですね。あまり型にはめすぎるとパンが日常じゃなくなると思うんです。病院食でもサプリメントでもない、パンは日常口にする自然な食べ物ですから。

ですので「こだわる」というより「自然体」でやってます。

―パンの種類はどれくらいあるんでしょうか?

s-DSC00623多いと思いますよ。都会の店なら絶対数が多い分商品を絞れますし、経営的にもその方がいいかもしれないんですが、うちのお店では60~70種類くらいはありますね。s-DSC00617

 

 

 

―製造は店長がおひとりで?朝は早いんですか?あと、店舗での販売以外に卸しなどはされてますか?

妻とスタッフの方達にも手伝ってもらっています。
僕は朝4時半頃から製造にとりかかります。午前中にはその日の分を終えて、午後からは翌日の分の準備にとりかからないといけないんで。卸しは今はほとんどしてないですね。以前はずっとスタッフには「職人」というかたちをとって、その分卸しの仕事も多く請けてましたが、辞められるとひとり分の工程がぽっかり空いてしまって同時進行で進めていく製造ができなくなる等のリスクがあって困るんですよね。それで、色んな面を見直し、「職人」という枠を無くしスタッフはすべてパートにきりかえ、自分のできる容量で、やはりお店をいちばんにやっていこうと卸しも極力減らしたんです。パートさん達が時間単位で入ってくれて、製造や販売もサポートしてもらうというスタイルでやっています。

―たくさんのお客様が来店されてるようですね。なかでもサイクリストの方がよく来られてるようですが・・・

はい。そうなんです。サイクリングのブームというのもあると思いますが、ここってすごく立地条件がいいんですよ。金剛山を超えてくるというルートがあるんです。サイクリストの方は「坂」が好きなんです。逆に困るのは交通量が多いことなんです。そういった条件がいいので休憩場所としてよく利用していただいてますね。ガッツリ食事をとるとその後の走行に差し障るんですけど、その点パンは消化も早く、ほどよい糖分が後にエネルギーに変わるのでいいみたいですね。

―自転車を停める専用のハンガーのようなもの?も設置されてますが。

今、置いてるお店多いですよ。自転車ってやはり高価なものですし、サイクリストの方が多く来てくれるので必要かなと思いまして。実は僕も自転車乗るんですよ。やはりお店にサイクリストの方がたくさん来られるのを見たのがきっかけで・・・。
ですので、もう一歩踏み込んだところで連携がうまくとれればサイクリング用の部品とか機材とかの販売もちょっと考えてみようかなと思ってるんです。サイクリング途中での自転車の故障、トラブルに対応できたらと思ったりしてます。

―ばあくさんで石釜を使った焼き立てパンとピザを作るイベントをされてるそうですね。 

はい。「食の乱反射」略して「食乱」というグループがあるんです。この地域の「食」や「ものづくり」にこだわる農家さんや生産者で作ったグループなんですが、そのグループ内でのコラボレーションで始めたイベントなんです。
石釜で焼けたアツアツのパンやチーズの上にばあくさん特性のベーコンを乗せたピザといったように「パン」をメインとしたイベントを月に1回やってきてたんですが、少し趣向を変えてみようかということで、今はカフェをメインにした形で、ばあくさんが主軸となって開催されています。そのカフェで召し上がっていただくパンを作っています。

―「食乱」というグループでのイベントは他にもあるんでしょうか?

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はい。年に一度11月に「大食宴会」をやっています。今年は吉野川の川原で開催します。

 

―入口に「ノスタルジック街道」という看板がありますが、これは?

s-DSC00646s-DSC00647これは、お店を経営する何軒かの仲良しのグループで、何かできたらいいねというところから、名前を作って目的地になるような仕掛けをしていこうというものなんです。山麓線を走り、立ち寄ったり休憩したりしながらこちらを目的地としてもらえるような仕掛けを。
広告媒体として1件でやるより何軒か集まりいろんな意見を持ち寄った方が、チラシのクオリティも高まり、仕掛けも深くなり、予算も安くなる、何より目的が一緒だから一緒にしようと・・・そこから始まり作ったのが「ノスタルジック街道」です。

―困っていることは?

時間が足りないことです。
「てづくり」というのはやはりそのための時間が圧倒的にかかるんですよね。仕事としてこなしていかないといけない作業の中で当然トラブルも出てきます。機械であったり、業者間の仕入れの事であったり。それを責任者としてひとつひとつ判断し対処していかないといけない、当然の事なんですけど、そういう事が重なったりすると、時間がほしいなと思いますね。

―これからについての考えなどはありますか?

そうですね、日常をがんばること ですね。
僕にとってのパン作りはもちろん「仕事」であり「日常」なんですよね。生活に入ってしまっているもので、圧倒的に費やす時間が多い。なので、その日常をうまく取り入れていかないと。仕事ばかりでも息切れしてしまうので、メリハリは大事ですよね。だから定休日は完全にオフで、趣味の時間を楽しんだり。その中で他のパン屋さんに行ってみたり、和食、洋食、いろんなお店に行ってヒントを得る事もありますしね。主軸を守っていくだけでも大変、でありながら経営するにはやはり流行らないといけない、材料にこだわれば値段も上がるといったせめぎ合いはありますけど、ガチガチにならず、ほんとに素朴に自然体で「日常」である「パン作り」を頑張ることです。

前田さん、本日はありがとうございまいした。

 

パン工房 ヤムヤムさんのHPはこちらから

パン工房 ヤムヤム

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住 所    奈良県五條市田園3-20-6
電 話    0747-23-5530
営業時間 8:00~19:00
定休日  火曜日・水曜日
駐車場  有

 

 

 


☆スタッフHのすぽっとwrite☆

幼稚園の頃、母と出かけた帰りにいつも立ち寄ったパン屋さん。コロネが大好きでした。中学生の頃、近所のパン屋さんでは、板チョコデニッシュとの衝撃的な出会い・・・そして短大生の頃、学校近くのパン屋さんでよく買った、名前は忘れたけど、栗が入ったふわふわのパン・・・ほんとにパンは小さいころからいつも口にする「日常」です。
今回の取材で初めてヤムヤムさんを訪れ、衝撃的な出会いが!「プリンデニッシュ」。サクサクのデニッシュの上にカスタードプリン!絶妙の食感です♪

 

第11回 スパゲティーハウス シエロ 竹村 輝彦さん

変わらない店でありたい。スパゲティーハウスとしても
ライブハウスとしても。

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ースパゲティーハウスシエロさんがお店を開店されたのはいつですか?

(竹村輝彦さん 以下同)平成3年12月18日です。

―店名シエロというのは?

イタリア語で「空」という意味です。言葉の響きや意味などから考えて決めました。

s-c621800v―スパゲティー屋さんを始めたきっかけは?

高校卒業後、名古屋の専門学校時代にスパゲティー店でアルバイトをしていたんです。そこで、注文がきてから茹でるスパゲティーは保存がききロスがないというところに魅力を感じたんです。パスタは茹で時間が大事。さらに茹で上がりと同時進行の調理の手際良さやスピードが大事です・・・でも、もともと手先は器用な方かなと思っていましたし、自分にもできそうかな、いずれはこの仕事いいかもなぁと思ってたんです。そして、何よりそのお店のスパゲティーが美味しかったんですよね。それがきっかけですぐにお店をオープン・・・ではありませんが、そのお店でのアルバイト経験が結果的に今のこのお店の原点です。

 

―専門学校とは何の専門学校だったんですか?調理関係ですか?

いえ、僕は中学時代からギターが好きで仲間とバンドを組んだりしてたんです。高校時代はもちろん軽音楽部。市民会館を借りて自分達でライブをしてりしてました。「ギター小僧」だったんです(笑)
高校3年の進路を決める頃、ミュージシャンは無理だけど、楽器を触っていたい、楽器業界、音楽業界へ進みたいという思いから専門学校への進学を決めたんです。専門学校で技術を習得してから楽器店に就職しようと。そこでピアノ調律師としての技術を取得し、晴れて念願の楽器店へ就職した訳です。

 

―楽器店でのお仕事はどうでしたか?

和歌山県の楽器店でピアノ調律師として一日に数件お客様宅を訪問していました。ですが、三年で退職しまして・・・。その後、母校の専門学校の講師にならないかというお話をいただき名古屋へ戻り二年間勤務しました。
楽器店、楽器専門学校講師・・・共に大好きな楽器業界ではあったんですが、正直その業界の賃金の面で疑問を抱くようになり、飲食業への転身を決め外食産業の会社へ就職しました。

 

―飲食業への転身はやはりアルバイトしたスパゲティー店での経験が影響したんでしょうか?

そうですね。あの時、いずれはこの仕事も・・・と魅力を感じた職業でしたからねぇ。

s-DSC00501それでもう一度、そのバイト先の親方のお店の門を叩き、一から教えてくださいとお願いしました。お店をするならいろんな飲食業の事を知っておきたい、習得したいと思い、親方のお店とかけもちでドイツ料理のフルコースレストランやコーヒーが美味しいと人気の喫茶店で修業兼アルバイトをしました。

 

―そしてその後、オープンということですね。

両親がここに土地を所有してましたし、僕は長男なので、お店をやるなら地元に戻ってこないかという両親の思いもありまして、僕が27歳の時に「シエロ」をオープンしました。

 

―オープン当初はどうでしたか?

当時、スパゲティー専門店というのは五條にはありませんでしたし、そんなに宣伝もしませんでしたが、口コミなんかでお客様も増え幸先のいいスタートでしたね。一度来てくれたお客様が5回6回と来てくれる常連客さんとなり、オープン当初から今もなお来てくださるお客様もいらっしゃってありがたいことです。

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逆にスパゲティーだけでなく、もっとレストランみたいなメニューをとか、配達もしないとやっていけないんじゃない?って声もありましたが、僕は僕自身が親方の店で学んだことや親方のやり方を見てきたので、僕はこれでいくんだ、やれるはずだと自信を持ってやってきました。

 

―今、好きな楽器とのつながりは?

職業としてはやはり調律師の仕事からは離れず、今もお店の定休日の火曜日に細々とやってます。s-83s83A83m92B297A5814082P-thumbnail2やはり、他の楽器店との兼ね合いもありますし、大題的には宣伝もできませんが、知り合いの方の紹介のそのまた紹介であったり、僕のブログを見てくださってという感じですね。

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趣味のギターは、今でもやってますよ!さらにギターの製作の方もやってるんです。

 

↑取材時、オーダーを受け製作中のギターを見せていただきました。
その後完成したギターは、夏のある日、マスターのもとから嫁いでいったそうです。

 

―シエロさんでは店内でライブが行われているそうですね。詳しく聞かせてください。

はい。プロのミュージシャンによる「ソロライブ」を毎年秋に、そして、私と同じような趣味を持った仲間との間で始まった「シエロ音もだちライブ」を毎年春に開催しています。

―プロのミュージシャンとは?

日本を代表するアコースティックフィンガースタイルギターの名手、岸部眞明さんにはもうかれこれ10年近く来ていただいてます。
有山じゅんじさん、加川良さんにも来ていただいたことがあります。

―岸部さんとの出会いは?

若い頃は仲間とバンドを組んでやっていましたが、みんなそれぞれ仕事が忙しくなったりで時間的に合わなくなってきたんです。私も家でひとりでギターをやるようになっていた中で、愛読書「アコースティックギターマガジン」で岸部さんを知りました。彼のCDを聞いた時衝撃を受けたんです。ボーカルのないアコースティックギター1本で奏でるメロディの素晴らしさに。そして、たったひとりでも、たったギター1本で好きな時間に好きなだけ練習もできて、こんなすばらしい音楽ができるじゃないか・・・と思いどんどんはまっていった訳です。

 

―そこからどのようにしてシエロさんでのソロライブを実現させたのですか?

岸部さんが全国各地のライブハウスやライブ喫茶をまわって演奏されてるのを知り、いっそのこと、うちの店にも呼ぼう!と思ったんです。
そこからは、SNSを通じて既に岸部さんのライブを行っているライブハウスの方達とつながりを持つことから始まり、自分自身も各地のライブ会場へ足を運び、音響設備や機材、いろんなことを学び習得して、そして岸部さん本人とお会いし、シエロでのソロライブ出演依頼やギャラの話まで直接交渉しました。バンドをやっていたのでもともと持っていた機材に加えて新たに大きなスピーカー等も購入し、セッティングも自分で行い、そしていよいよ岸部さんがうちの店に来てくれることになったんです。今年の秋で第11回目を迎えます。

 

―自身のお店でのソロライブ開催、いかかでしたか?

既にライブをしたことのあるライブハウスなら、固定ファンも来られますが、シエロはいわば新参者です。なので、最初は身内や知り合いを呼んでのスタートでした。ですが、2回3回となるにつれ、岸部さんのファンはもちろん、シエロならではの近距離のステージ、音響に評価を得、遠方からのファンも来られ、定員30名ほどですが、毎年満員です。毎年ライブ開催が決まると僕自身はもちろん、真っ先に連絡をくれるほど心待ちにしてくれている方もいるんです。

 

―では、「シエロ音もだちライブ」とはどんなライブなのですか?

プロの方のソロライブに対して、シエロ音もだちライブというのは素人のライブです。こちらももう第9回目を迎えました。s-CAC9B3DDA4B1A5AEA5BFA1BC
プロの方のソロライブを開催していくにつれて、ライブに来てくれた方がその後個人的にお店に食べに来てくれるようになったんです。「マスター、こないだはありがとう」って感じで。で、会話を交わすうちに「実は私もギターをね・・・」って話になったりすると、あ、同じ趣味なんだって・・・。そんな方が一人二人と増えていき、同じ趣味を持ち、気心知れたフィーリングの合う人達との和ができてきまして。それで、プロの方と同じ機材で同じ状況でライブする?って話になって(笑)
自分が音楽やギターを好きってだけではやっぱりダメで、プロの方を招いてここでライブをしたっていう経験がシエロ音もだち仲間との道筋になったんです。

 

―マスター自身も演奏を?音もだちライブはどんな感じなのですか?

はい。僕も岸部さんのようなインストロメンタル(ボーカルのない)で演奏します。

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去年よりすごく上達してる人、去年からの方向性を変えた演奏の人、1年ぶりのその日当日にならないとわからない驚きがまたおもしろく刺激になり、もっと上手くなりたい、もっといいステージにしたいと思うようになるんですよね。

↑この中にはマスターが製作したギターが4本 もあるとか!
マスターが作ってるのはスパゲティだけじゃなかったんですね!

ちょっと変えてみよう、驚かせてみよう、出演者達はその日に向けて毎年試行錯誤だと思いますよ(笑)準備も後片付けもすべてみんなでします。個性あふれるひとりひとりが好きな音楽を通じて深い繋がりが持てる・・・そういうの全部含めて「シエロ音もだちライブ」なんです。毎年レベルアップしてると思います。

 

 

―スパゲティーハウスシエロとして大切にしていることは?

s-DSC00507そうですね・・・食材の価格が上がったり、昔と同じように仕入れられなくなったりと色々問題はありますけど、僕のモットーは「できる限り変わらないでおこう」です。メニューはオープン当初から約50種類、パスタは乾燥麺の1.6mm。流行にのっている訳でもないし時代遅れといわれるかもしれない。でも僕はこれがいいと思って始めたお店のやり方です。そう簡単には変えるつもりはないんです。うちのお店のスパゲティーを食べにきてくださるお客様がいる限りは。

 

―今までを振り返っての思い、また今後の夢は?

楽器が好き、音楽が好きから携わった楽器業界、飲食業への転身、色々経験してきました。
でもどれもその経験は今の僕を支えています。昔は色々と抱えていたプレッシャーに押しつぶされそうになった時もありましたが、今は人生を楽しく生きていこうと考えらるようになりましたし、今本当に幸せです。

s-DSC00483好きな音楽をやりながら、こんな小さなスパゲティー屋だけど、みんなが集まってくれる場所になり、少々マニアックな方?(笑)には注目される場所になってきて(笑)それだけで充分幸せと思ってます。だからそれが続けばいいなって・・・。変わらずこのまま。年に一度のシエロでの出演を楽しみに日々ギターや楽器の練習に打ち込んでいる仲間とのこの環境を継続させるのが夢です。まわりからみると、僕が音楽やギター、ライブなんかをやっているのを知らない方も多いでしょうし、何か変わったスパゲティー屋のおじさん?かもしれない(笑)
でも僕は知る人ぞ知る「幸せ者」です。

 

竹村さん、本日はありがとうございました。

スパゲティーハウス シエロさんのHPはこちらから

スパゲティーハウス シエロ

s-DSC00496住  所    奈良県五條市田園3-5-7
T E L   0747-22-9333
駐車場     有
定休日  火曜日
営業時間
11:00~15:00
(オーダーストップ14:30)
17:00~21:00
(オーダーストップ20:30)


☆スタッフHのすぽっとwrite☆

楽器、音楽、スパゲティー・・・「好き」「魅力ある」と思った道に進み、歩んでこられたマスター。今もその道をたくさんの仲間と一緒に追求し楽しまれているマスター。取材時ギターやライブの話をされるときはとてもにこやかでしたが、普段は無口(だそうです)なマスター・・・。
まだまだ書ききれないマニアックな話もありましたので、気になる方はマスターにそっと話しかけてみてはいかがでしょうか♪

 

 

 

 

 

第8回 創業明治元年 藤田茶園 中 雄司さん 

 

「美味しいお茶を飲んでいただきたくて、良質の茶葉を仕入れ加工して自信をもってお客様にお届けします。」

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私たちの生活には欠かせない日本茶、五條市中之町に店舗を構える藤田茶園さまにお話しを伺いました。
お店の引き戸を開けますとお茶のいい香り居心地の良い空間・・・ご主人中雄司さん、奥さん、息子さんで日本茶インストラクタ-の中隆太郎さんに迎えていただきました。

-藤田茶園さまの創業を教えていただけますか。 

「明治元年野原村(現在、五條市野原)に藤田茶園をDSC00217構えたのが始まりです。その後、祖父が五條市五條1丁目に店を移転し、そして平成16年中之町へ新店舗を移転し営業しています。」

-お茶の種類も沢山ありますね。 

「お茶の木の品種も増えてきていますし、茶葉の種類によって味の特徴が変わってきます。味がしっかりしているとか、水色が綺麗など・・・
静岡茶・宇治茶・大和茶などの産地によっても違ってきます。DSC00258関西のお茶は、色はあまり出ませんが、味が濃くまったりとしていますね。大和茶は、あまり有名ではありませんが、しっとりとして良い味として人気があります。
お客様も最初は、頂き物で知ってそれから送ってくれますかと、昔は、そういう手段で広がっていきましたが、最近は、インタ-ネットですね。結構口コミで関東や遠方から注文を頂いて、送り続けているリピ-タ-さんが大勢います。」

-良質の茶葉とそうでない茶葉ができるのはどうしてですか。

「風土と土壌で変わります。秋から春の間に栄養をたっぷり含んだ5月に刈り取る一番茶、梅雨時期に刈り取る二番茶、夏から秋に刈り取る三番茶もやはり成分は変わってきます。」

-茶葉へのこだわりはあるのですか。 

「美味しいお茶を飲んでいただくためには、茶葉の仕入れは一番大事でこだわりがあります。良質の材料が一番大事です。」

-特徴のあるお茶を教えていただけますか。 

「基本的に良い荒茶を自家焙煎しているほうじ茶です。ほうじ茶は焙煎することでDSC00219カフェインやカテキンが減少するやさしいお茶です。材料によりすごく値段の差がでてきますが、やっぱり一番茶を焙じた美味しいお茶がよく出ますね。」
「普通のお茶屋さんは、一番茶の高級品は焙煎しないんですよ。もったいないや手間も掛かるという事も有りますし・・・当店は昔から基本的に、良い荒茶を焙じて販売しているのが特徴ですね。」(隆太郎さん)

-美味しいほうじ茶に仕上げる焙煎はどの様にされるのですか。 

「ほうじ茶は、昔から回転式の釜で焙煎してきました。その伝統を今も引き続いています。
焙煎は、荒茶の種類によって時間も温度も違ってきます。現在は、焙煎機の温度も管理されていますが昔は、全て勘で火を調整しながら焙煎していました。安価な番茶は、火力を強くして焙じないと番茶らしくならないし、良い物は、s-159高温で火を入れると茶葉がダメになる為、少し低温でじっくりと焙煎することで香ばしく上品な香りを引き出しています。物凄くデリケ-トですよ。外気温によっても時間が違ってきます。ただ単に火を付けて時間が来ると仕上がりでは無く、何回も見て、確認し、煙を抜いて熱を逃がしてやらないといけないのですよ・・・そうすることで、まろやかなほうじ茶が出来上がります。茶葉との戦いですね、美味しい茶葉に仕上げるには色々な苦労があります。今は、息子が焙煎しています。」

-日本茶インストラクタ-の資格を取得されたのは? 

「お茶の勉強のために取りました。やっぱり美味しいだけでは売れなくDSC00213て、まずは、知らない事を聞いて、覚えて、問屋さんと話して、また、色々と教えていただいたりしますので、土台みたいなものです。また資格を取った時は若いですし、話をするお客さまは、年上の方ばかりじゃないですか、資格を持っていると専門的な知識があると話を聞いていただける、それが良かったですね。」(隆太郎さん)

-パッケ-ジも考えられるのですか。 

「パッケ-ジは考える物もありますし、シ-ル、進物用栞は手作りです。DSC00247美味しいお茶を飲んでいただきたいとう送り主様のお気持ちがあり、入れ方を間違えると何もなりません。進物用は説明も出来無いのでお茶に合わせた栞を入れています。美味しく飲んでいただきたくて・・・お茶も喜ぶだろうし・・・良いお茶ほど温度をおさえて手間をかけて入れてほしいものです。」

 

-奈良のお店で販売されてますね。 

「新しく開店するので一度どうですか?と商工連合会の紹介をいただき、奈良市三条通り『着物と和のある暮らしayanas奈良三条通店』でお茶と急須を販売しています。」(隆太郎さん)

「五條は、田舎だからお茶への関心が薄いですね。
その為外(市外)へ、アピ-ルしないとね・・・外の方は良い物を認め価値を認めてくれます。」

「先日ayanasさま店頭で “ほうろくで焙煎体験” 実際にほうじ茶を焙煎して、炒りたてのほうじ茶を飲んでいただきました。結構若い人が参加してくれまして好評でした。外国の方も居ましたよ。
日本の方が大勢参加して頂いたことは、お茶を好んでくれる根本があるのかなぁと思いますね。また外国の方は、日本の良い品を知っていますし探していますね。茶器等も買って頂いたりしますしね。」(奥さん)

-それは、どのように焙煎するのですか? 

「カセットコンロとほうろくです。茶葉スプ-ン1杯約3gをほうろくで2DSC00225~3分焙じると火が直ぐに入るので茶葉がポップコ-ンのように膨れ、2人分程のほうじ茶が出来上がります。
お茶を買い求める時は、どうしても名前の知れたお店の商品を購入する方が多いので、実際飲んでいただくのが一番良いですね。そういうきっかけを出来るだけ作るよう努力しています。」(隆太郎さん)

 

-ありがとうございます。色が綺麗ですね。(奥さまがお茶を入れて下さいました。)

「お抹茶です。」

-いただきます・・・・・美味しいですね。 DSC00222

「渋みが無く美味しいでしょ。京都一休寺へ納めているこだわりの抹茶で、何回も農林大臣賞をいただいています。大量に作るお茶では無くて碾き臼から自分で調整し、40gの抹茶を作るのに1時間もかかる商品です。美味しいお茶を飲んでいただきたくて、良質の茶葉を仕入れお客様に納得していただける商品をと心がけています。」

-お商売をしているうえで大切にしていることは。 

DSC00214「自信を持って言える材料を使って正直な商売をモット-に営業しています。お客さまは、素人さんですので、解らないままごまかしもききますが、長続きできません100年以上続かせようと思えば、先代も真面目でしたし、私もそう続けて来ましたし、息子も真面目にやってくれると思うので・・・。」

-五條でお商売をして感じることはありますか。 

「奈良へ行き感じた事ですが、人口が全然違いますね。人は少ないですし、高齢化になりますと施設に入る方が多くて、活力が無くなりましたね。時代が変わりましたね。『この町は、良い町です。』と言える町になって欲しいですね。」

-これからどの様にお商売をして行きたいですか。 

「日本の伝統のお茶をずっと続けていきたいですし、本物の商いを本物の商品を、美味しくて安全なお茶を提供し続けていきたいです。」

 

-本日はありがとうございました。

 

藤田茶園さんのHPはこちら

店名    藤田茶園
住所   五條市中之町890-31
TEL  0747-22-2686
FAX  0747-22-2988
営業時間 午前9:00~午後6:00
定休日  日曜日
駐車場  有

 

ある日の午後、「今日の冷茶おいしいね!」 と何杯もおかわりをする家族、「そうでしょ!」と私は得意気に・・・・・実は藤田茶園さんに教わりました。「冷茶ポットに水出し茶葉と冷水を入れ、茶葉を十分泳がせてあげて下さい。2時間程で美味しい冷茶が出来上がります。」と・・・一度試して下さいね。

 

 

 

 

 

 

 

第7回 伊勢屋豆腐店 西村 富士男さん・利江さん 

安心安全なものを作りたい。その一心でやってます。

―伊勢屋豆腐店さんの歴史を教えてください。

(西村富士男さん 以下同)昭和48年、23歳の時ですね。五條市で当時の店名ニチイ、今はイオンさん、に出店したのが、私の出発です。今年で42年目になります。ずっとそこで製造、販売してたんですけど、9年前にこの田園の店舗へ移って今はここで製造、販売してます。


―豆腐屋さんを始められた経緯は?

私は石川県の能登半島の出身で、父は公務員、兄は農協に勤めてました。でも私は豆腐をやってみようと思いまして、10代で大阪のお豆腐屋さんに修行に行ったんです。住み込みで6年半ぐらいだったでしょうか。その間、辞めていく人がほとんど。やっぱり、朝は早くて仕事はきついし、親が恋しくなったりとかでしょうね。それでも私は残って修行を終え、暖簾分けをしてもらったんです
 

―大阪で修行された後、五條市に来られたのは何か伝手や理由が?

いいえ全くですよ。五條市には知り合い、親類がいた訳でも、私が行こうとした訳でもなく、修行先から暖簾分けをしてもらう時に、五條に行きなさいみたいな感じで(笑)。でも、住めば都、五條はいいところですよ。

 

―喫茶店のようなこのスペース、試食用のスペースなんですね!田園のこのお店を作られたきっかけは?

スーパーの中はね、やっぱりある程度の制約があるでしょう。スペースであったり、サービスであったり。私はお豆腐や新商品を試食してもらいたいし、豆乳も飲んでもらいたい、それでお客様の反応も見たかったし、もっとひとりひとりのお客様とコミュニケーションをとりたかったんですよね。だからこの試食スペースは絶対作りたかったんです。やっぱり自分の店っていいですし、国産大豆で作ったお豆腐はこんなに美味しいんだよってわかってもらいたいですしね。
だけど、今年で42年目、スーパーの中でやってた頃からのお客様も、高齢になられたり、こっちまで来れなかったり・・・。だからイオンさんの方に商品だけは今も置いてるんですけどね。

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―この坂本龍馬の写真は?

龍馬が大好きなんです。素晴らしい人ですよね。その横に飾ってる写真は私。還暦の記念にチャンチャンコ着る代わりに龍馬の衣装を着て京都伏見で撮った写真です。ちょっと化粧し過ぎなんですけど(笑)

―豆腐作りへの思いを聞かせてください。

安心安全なものを作りたい お客様に安心安全本物の豆腐を食べていただきたい その一心でやってます。私自身、農薬で体を壊したことがあって・・・40年ほど前だったかな・・・だから自分が作るものはすべて安心安全なものを作りたい。商売を広げようとか大儲けしようとか、そんな気持ちは全然ないですね。

DSC00177「美味しさ」は二番目。一番は安心安全な材料。でも裏を返せば安心安全なものは美味しいんです。それははっきり言えますね。週に2回だけ、頼まれた方だけ発送はしてますけど、それ以外は配達や卸しは一切お断りしてます。それ以上そっちに力を入れると来てくださるお客様にお断りしないといけなくなったりするでしょう。やっぱり来てくださったお客様最優先ですよ。
自分の容量、能力以上の事をしようとすると必ずどこかで手抜きしなくちゃならなくなりますから。

 

―「医食同源」をモットーにされているとお聞きしましたが・・・「医食同源」とは?

はい。「医食同源」。グルメという意味ではなくて、「良い食事」です。良い食事は健康の源ということです。私も65歳になる今日まで元気に働いていられるのはやはり食事だと思っていますからね。海のもの、山のもの、里のもの・・・バランスの良い食事ですよね。

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豆腐づくりに関して言えば、やはり1に大豆、国産大豆100%、2ににがり、3に水、そしてその後に技術が来るんじゃないでしょうか。安心安全ないい材料があって、そこに機械や炊き釜、作り手の技術が加わってこそ出来上がるんだと思いますよ。

 

―たくさんの商品に驚きました。これらはすべて店内にて手作り無添加で製造されてるということですか?

 

DSC00281そうです。豆腐類だけでも30種類くらいありますね、その他に揚げ類や、豆腐コロッケなどの惣菜類、豆乳を使ったスイーツ類、種類は多いですよ。豆腐や惣菜だけに留まると範囲も狭まります・・・だけど、デザートも作れば食後に、お風呂上りに・・・とまた食べてもらえますし、お土産にもしてもらえるんですよね。いろんなバリエーションの商品があればお客様にも楽しんでもらえますしね。いろんな種類から選べるって楽しいじゃないですか。だから、見た目のパッケージなんかもきっちりしていかなきゃと思ってます。

 

DSC00178 DSC00188 この日も豆乳でできた杏仁豆腐、黒砂糖と蜂蜜入りのところてん、黒ゴマ豆腐にゴマドレッシング、豆乳・・・たくさん試食させていただきました♪

 

 

―新商品はどうやって考案するんですか?

たくさんの種類の商品、すべて考案は私です。そのためにもデパ地下にもよく行きますし、インターネットで取り寄せもします。井の中の蛙になってはいけないと常に思ってます。いろんなところに行って、いろんなものを食べてそれで、自分が納得できる材料で作ってみます。常にアンテナをはって、「LET’S TRY」 まずは試してみる、やってみる です。何でもやってみないと分からないですから。そして判断はお客様。もしお口に合わなかったらもう買ってはくれないしリピーターにはなってもらえないと思いますから。
10~20種類考案しても、実際お店に出せるのは1種類あるかどうかってとこです。そんな簡単にはいかないですしね。今はね、考案中の豆乳をつかったデザートの開発にとりかかってますよ。

 

―豆腐作りは朝も早くて大変なお仕事ですよね。ハードな毎日の中、やりがいを感じること、嬉しいことは?

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そうですね。毎日14時間、妻やパートさん達に助けられて働いてます。うちは商品の種類が多いから大変ですよ。でもこの辺りの住宅街の方、市内、県内の方、たくさんのお客様が来てくださって、土日なんかはほぼ県外からのお客様です。皆さん、ついでに買うんじゃなくて、わざわざ来て買ってくださる。有り難い事です。リピーターのお客様がお土産にと買って帰ってくれて、それを食べた方が美味しかったといってまた来てくれる。あと、ご夫婦揃っての来店もそうですが男性の方がたくさん来てくれます。私は男性や若い方達に支持してもらえるお店を目指してましたので、それは本当に嬉しいですね。安心安全な豆腐を美味しいね、と言ってもらえる、そしてまた来てもらえること、ですかね。

 

―困っている事は?

今、国産大豆が非常に高くなってきてましてね・・・
アメリカの大豆に比べて国産大豆は6倍~7倍高いんです。うちの豆腐はスーパーのものと比べると値段は2倍以上高いと思うんですけど、原材料は7倍近くかかってるんですよね。それでもやはり安心安全なもの仕入れて皆さんに食べてもらいたいですから。

 

―五條市に住み、そしてお商売をされてきて感じることは?

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修行を終えて五條に来た当初は大阪の環状線の何ともいえない臭いが恋しくて早く帰りたくてねぇ・・・
でも今は反対・・・大阪にたまに行くと早く五條に帰りたくて(笑)やっぱり、住めば都。五條は自然が多くて四季折々の景色が好きですね。人口が減ってきてるのが寂しいですけどね。イオンさんの店内で仕事してた時は外の景色が見えませんでしたが、このお店で毎日仕事をしながら見える窓の外の夕日や、四季折々の景色なんかはいいですね。

 

―これからの展開は?

この先の事は、まだどうなるか分かりませんけど、私もロボットじゃないし、不死身じゃないので、やれるとこまでやってこうって思ってます。
「昔と変わらぬ美味しい味」って、必ず昔より美味しくなってるはずなんです。美味しくなってないといけないんです。お客様の舌も昔より肥えてきているはずですし、昔より進化して美味しくなってるから昔と変わらず美味しいねっていってもらえるんだと私は思ってます。

DSC00203 後何年できるかわかりませんけど、できるとこまで安心安全なもの作ってお客様に美味しいねと喜んでいただきたいですね。わざわざ来てもらえるに値するだけの商品を作っていかないとって思っています。

店先に天日干しされていた国産天然天草。 ところてんの材料だそうです。

 

 

西村さん、本日はありがとうございました。

 

DSC00205伊勢屋豆腐店

住所    奈良県五條市田園4-9-8
TEL/FAX  0747-25-0330
営業時間  9:00~19:00
定休日   毎週 水・木曜日
駐車場   有
※HPはこちら

イオン五條店
奈良県五條市今井2-150
(イオン五條店内)年中無休


☆スタッフHのすぽっとwrite☆

「美味しいものを美味しく食べられる」当たり前のことのようですが、本当に幸せなことです。年齢と共に食の好みも変わり、ワラビやゼンマイ、ふき等の山菜類、香りが苦手だった山椒や春菊・・・、今ではその味、香りたたまりません。
今の季節なら、トマトやピーマン、茄子などの夏野菜(とビール?)は最高にたまりませんよ・・・ね!?ウナギや、ハモ(とビール?)、最高ですよ・・・ね!?
毎日の食事を作るのは大変ですが、「医食同源」をいつも心に留め、バランスのとれた「良い食事」を心がけたいと思います。

 

 

 

 

 

 

第6回 パティスリ- クリアン 田中千佳代さん 

“現実を忘れさせてくれる”そういう空間を大切にしています。

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五條市の北部閑静な住宅街、季節のお花が綺麗に咲いています道路沿いに店舗を構える、パティスリ- クリアンさん ドアを開けますと落ち着いた雰囲気の店内、素敵なマダム田中千佳代さんに迎えていただきました。

 

—マダムさんが、パティシエになったきっかけを教えていただけますか。

「私は料理が好きで、10代の頃から料理教室に長い間通い趣味にしていたのですが、ある頃から自分を見つめ直そうと思い1年間に渡りいろんな事を考え・・・そして最後に残りましたのがケ-キ作りでした。
それから、一から163ちゃんと教わろうとプロの先生、ホテルのシェフに付いて学んでいるうち、勉強するなら日本には、日本の文化や和菓子があるように、フランスにも伝統的なお菓子や文化があるのだろうと・・・ フランスで勉強したいと思ったのですよね。
そこでお金を貯める為ケ-キ屋さんのバイトを探していると、ちょうど八木で主人(シェフ)のお店(クリアン)がオ-プンしたところで、働かせてもらって(弟子入り?)フランスへ・・・。
フランスでは、言葉も解らないまま学校に入り、そのことばかりに一生懸命打ち込んでいました。
その後シェフが、パティシエとして受け入れてくれましたので一生懸命働いていたのですが、一度違うこともと思って、料理屋さんのデザ-トを作らせていただいたり、自分で桜井市多武峰の麓に焼き菓子の工房を持ったりと・・・していました。 そして結婚を機会にパティシエからマダム業へと変わりました。」

-田園にお店を移転されましたね。

  「最初は、八木でケーキ店を営んでいましたが、DSC00137お茶を飲んでいただけるような所に移りたいと思って・・・橿原や奈良市内など色々回ったのですが御縁が無く・・・ここは、実家の父が持っていた土地で自由に使っていいよと・・・と言う事で11年前になります。」

-人気のお菓子の特徴を教えていただけますか。

「季節によっても色々ありますが、生菓子は、DSC00133モンブランや和栗の品が人気ありますね。生クリ-ムは添加物の入っていない品を使用しています。 お客さまで、『うちの子、生クリ-ム嫌いなんだけど、クリアンさんのは食べられるねん。』と言って下さる方もいらっしゃいます。無添加ですとリスクもありますがやっぱり、出来るだけ体に良い物ですね。

173そして、タルト生地に五條産の小麦粉を使ってタルトを焼いています。勿論他の小麦粉よりお値段は高いのですが、まず添加物が入っていないことや香ばしいなどから・・・・ありがたいですね。
いちごも五條産。新鮮な地元の物や、お隣和歌山のフル-ツを使っています。 地元の柿ですが、リンゴのタタンというタルトケ-キがあります。 リンゴを使って焼くのですが、柿で試して、温度を入れると生臭かったり、えぐみがでたり、キャラメリゼをすると(砂糖を使って焼き付かせること)茶色くなったりと・・・。柿農家のお父さんに協力して頂き何種類もの柿で試行錯誤、164やっと昨年完成させました。これは都会の方に興味をもっていただきましたね。

焼き菓子は、バタ-が無いとよく言われていますが、やっぱりバタ-を使って焼かないと・・・・。無いのだったら焼かないで・・・と思っています。焼き菓子は、物凄く人気があります。DSC00136

涼しい季節には、キャンディやショコラも手作りします。ショコラは、お店で作る品と、フランス、イタリアから取り寄せている品物もあります。」

 

-紅茶やコ-ヒ-にもこだわりがあるのですか。 

「紅茶は、フランスから。やはり茶葉を合わせる人に無添加の品(全てでは無いと思うのですが)を送っていただいています。DSC00149
コ-ヒ-は、この前から映画になった、石川県能登半島に珈琲豆の焙煎士の女の子がいる二三味珈琲さんです。 今から15年程前、私はコ-ヒ-が好きで取り寄せしていたのですが、それから後この焙煎士さんの記事を読み感動をしまして、パティシエをやっていたから、きっと生クリ-ムに合う美味しいコ-ヒ-を入れるだろう!と思ったのです。女の直感ですね。(笑)そしたら美味しくて!!
映画『さいはてにて』のモデルになった焙煎士さんのそんなコ-ヒ-です。 このコ-ヒ-をブログで紹介しますと、紅茶党の方が、コ-ヒ-を飲みたいと・・・不思議ですね。映画やテレビの影響ってすごいですね。でもやっぱり材料ですよね。」

 

-お商売をしていて一番大切にしている事を教えて頂けますか。

  「お客さまですね。友達も言って下さるのですが『現実を忘れさせてくれ167』と・・・そういう空間を大切に、また作れるように、お花を絶えさないように大事にしています。お客様(喫茶の方)も思っている以上に、『ホッとするんです。』と言って下さいます。
それから、パティシエの体調や精神状態を常にチェックDSC00150しています。パッと見てあれ何か?・・・・・ また自分達もそうだったように、土・日曜日に休日が欲しいこともありますよね、私たちはダメだと解っていても、そういう事も取り入れてあげようと思って・・・
その代り物凄くお願いしているところもあります。出来るだけ彼女たちの環境を大切にしています。そういう事はとても大事だと思っていますね。」

 

-五條でお商売をして困ったこと、良かったことなどありますか。

  「田園に移転して良かったです。最初お客さまは、“どんなんかなぁ?食べてみよう!”という感じだったのですが、そのうち、165田園の方々も他から来られた方もおられますし、元々八木のお店で出なかった渋い商品やコンフィズリ-やピティピエ(マロンパイ)などを並べますと買って下さるようになりましたし、土曜日、日曜日になりますと、この道(山麓線)を利用して、神戸、大阪、京都、和歌山の遠方から、また『懐かしいです』と橿原からお客さまが訪ねてくれます。
こちらへ転居する頃からも『田園って、ちょこちょこと隠れ家的なお店が在るでしょ。』とおっしゃる方もいましたし、なんとなくそういう風に伝わっていたようですよ。」

 

-これからの夢を聞かせて下さい。

  「より一層偏ってきました。私たちは、歳を重ねていきますが、精神年齢は止まったままですよね、そのまんまなんです。24才ですか?(笑) 物を見て来ているし、食べて来ているし、色々な経験を積んで来ているので、ちょっと大人の女の人が喜んでくれそうな物づくりや空間づくりをしていきたいと思っています。大人の人に喜んでいただけるような可愛さですね、私も興味があり好きなんです。 あえて、年齢のタ-ゲットを上げてより一層凝縮した感じにしたいですね。 お母さまのケ-キを作りに来ました。というような流れがあると、もっと嬉しい感じですね。」

 

-本日はありがとうございました。 

 

店名   パティスリ- クリアン
住所   五條市田園4-1-5
TEL  0747-26-2330
営業時間 10:00~18:30
定休日  水曜日
駐車場  有

パティスリ-クリアンさんのHPはこちら

毎日忙しく生活している中、嬉しい時、楽しい時は勿論、落ち込んだ時も疲れた時もあります。そんな時はケーキを食べて、コ-ヒ-を飲んで、一息できる空間を持てるのは嬉しいものですね。 そして、美味しい物を食べていると自然と顔がほころび幸せを感じます。 お土産や子供達のバースデ-ケ-キもそうですよね。人と人を結ぶ人を幸せにしてくれる大切なものです。

第1回 菓匠居 千珠庵 きく川 菊川 義崇さん

「美味しいものをつくっていきたい そして喜んでいただきたい」 それだけです。

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—きく川さんの創業は文久年間(1861~1864)とありますが、150年以上の歴史があるということですね。

菊川義崇さん(以下、同)ちゃんとした文献か資料があってというよりか、一番確かなものとしては、明治23年。お菓子屋の許可証なんですが、明治政府発行の「鑑札」というもの、営業許可証です、製造者、販売者が記されてるものです。それが2代目のものだったんです。それ以前から先代が商売をしていたという記録がありましたので過去帳を調べたり、先代の年齢などから考えると創業は文久年間の時代ということになるので、そう書かせていただいてます。

 

—以前は人形屋さんもされてたそうですね。お店を継がれた当時のお話を聞かせていただければと。

そうなんです。平成の始め頃までは人形屋と和菓子屋、両方してましたね。それがね、例えば3月なんかになると、ひな人形、おまんじゅう、両方で忙しくなるわけです。お人形の方でお客さんが来られるとやはり、接客したり、配達に行ったり・・・となると、おまんじゅうの方が手薄になってしまってたんですよね。それで私はお人形の方をやめようと、お菓子屋一本にしようと思った訳です。
私がお店を継いだ当時・・・そうですねぇ 昔からつくっているおまんじゅうはありましたが、ベースとなるものでまだ整ってない部分、例えばパッケージ、包装、そのあたりをまず整えてご進物用にできるようにしたのが最初かなと。

 

—「ミかさ」を焼いてる姿が通りから見れますね。

はい、祖父の時代からです。
毎日焼いててもね・・・毎日違うんですよ・・・仕上がりが。水加減、焼き加減、材料も分量も毎日同じなんですよ。いいですねぇ、ミかさ。おもしろいです。ミかさをずっと作っていきたいですね。ずっと。
ミかさ 焼き工程 きく川
やはり看板商品のミかさや、鮎菓子は五條の和菓子のおつかいもの、ご進物用として親しまれたいです。そのためにやはり素材はより新鮮でグレードの高いものを、なかでも小豆は北海道産大納言100%、卵は地元の養鶏会社のうみたて新鮮なものを使ってます。
「てづくり」で「美味しいものをつくっていきたい」んです。

 

—新商品なども考えられたりしますか?

新しいものを作り出していこうという研究心、意欲は常に持っているんです。ただ、正直なところ、ご注文を中心として、今は私ひとりで精一杯なところもありますので、それをどこまで反映できているかっていうとある程度は反映できていると思っています。今後も常にアンテナをはりながらかたちにしていきたいですね。
商品開発部とか、デザイナー担当部門とかがあればいいんですけどねぇ(笑)
私自身お饅頭は好きなので、あちこち勉強に行ったり、食べに行ったり、旅先なんかでも購入します。どこのお饅頭も確かに美味しいんです。美味しいんですが、でも自分ならここもっとこうするな、こう作ったら美味しくなるんちがうかなって思いからつくったひとつが「峰の月」。栗饅頭なんです。峰の月 きく川自分がこんなもの食べたいな、それなら材料はこれでいこう、仕上がりは・・・パッケージはこんなイメージで・・・という風に。あとネーミングは大事ですよね。なんで自分はこのお菓子を作ったのかっていう思いなどもありますからねぇ。出来上がったものを自分で食べてみて、美味しいなって満足できるものを作りたいですね。

 

—五條市でお商売をされていて感じることは

季節感が残ってる町だなぁと。
先月の3月3日の雛節句もそうですが、そういう季節行事が都会に比べてまだまだ生きてるなと思いますね。そういう意味では和菓子なり、和の文化が残ってる町なのでその部分をこちらがうまく、また今の時代の方達に合うように寄り添っていけるようにしていきたいですね。

—そういえば、生徒さん達の前で和菓子を作ってる姿を菊川さんのブログで拝見しましたが。

はい、あれは、「働く人に学ぶ」というテーマの授業で母校の中学校に行かせていただいたんです。生徒さん達は真剣に話を聞いてくれて、また実際に和菓子を作るところも見てもらいました。そこでは「梅」や「鈴」をイメージした生菓子をつくったんですよ。  そしたらね、できた鈴の生菓子を見て「ドラえもんの鈴やぁ♪」って(笑)  あ、若い生徒さん達にはそういうイメージなんやって・・・そんな反応もまた新しい発見、勉強のひとつでしたねぇ。私も生徒さん達と楽しく学ぶことができました。
五條には素晴らしい絵を描く、字を書く先生がいらっしゃいます。うちの和菓子のパッケージにもその先生方の作品を使わせていただいています。私も五條市の方、また他の地域の方にも名前を知ってもらえるようなお店、人になりたいですし、ありたいなと思うんです。五條で和菓子やったらきく川が美味しいよと言ってもらえるようになれたらなと思います。

 

—どんなお店にしていきたいですか

外観 きく川

店内 きく川「自分の納得した店」ですかね。
お店に来ていただいて美味しいお菓子をたくさんの方に買っていただきたい そして喜んでいただきたい それだけですね。もちろんそのためには接客も然り、店づくりも然り、まだまだまだまだ・・。 この店はいつまでも美味しいって言われたいですね。

 

—きく川さん、本日はありがとうございました。

 

千珠庵 きく川

住所   奈良県五條市五條1-5-1
電話   0747-22-1056
FAX   0747-22-4109
営業時間 月~土 9:00~18:00
定休日  日曜 ※祝日は不定休
駐車場  有

※千珠庵きく川さんのHPはこちら


☆スタッフHのすぽっとwrite☆

仕事から帰ると当時小2の娘から「これあげる」と鮎菓子をもらった。
「え?どうしたん?」「買うてきてん。」「ひとりで?」「うん!」
どうやら以前、祖母の買い物に同行し、お店は下見済み、鮎菓子の味も確信の様子。にしても・・・家には買い置きのチョコ、スナック菓子・・・。ではなく「鮎菓子」が食べたい!と小銭を握りしめひとりで買いに行ったらしい。お金は足りるか、今日も売ってるのかと不安はあったらしいが、無事「2匹買えてん♪」との事。何だか可笑しく温かい気持ちになったのは、子供が食べたくて買ってきたのが「和菓子」だったからのような気がします。
多忙な日常にふと忘れてしまいがちなことや、時代の変化で失われていくものも、和の文化に触れると「四季」や「思い出」その他色々な事を感じられます。
和の文化にはかかせない「和菓子」の材料から技法、包装、名前に至るまで、こだわりや温もりが伝わるお話をインタビューを通じて聞かせていただくことができました。