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第42回 農業生産法人 株式会社五條市青ネギ生産組合 代表取締役 森本 茂仁さん

 

 

青ネギに「信頼と夢」を乗せる・・・そんな想いの詰まった親愛なる「ブランド五條」

 

五條で描く『未来図』。五條だからできること、今の五條ができること。そんな五條の農家さんたちが寄って作る小さな「農家集団」。その「農家集団」の母体でもある、青ネギ生産組合の森本代表にお話しをお伺いしました。

 

この事業を始められたきっかけを教えてください

うちの親父・・もう今亡くなってしもとるんですけど。
もともと兼業農家で、縫製業やりながら農家もやっとったんですけど。
親父も年いってくるし、縫製業やるにも目も悪なってきて無理やし。
僕も2代目で跡継ぎなんで縫製の方は僕に任されて・・。

でも親父が突然、脳こうそくで倒れてしまって。まぁ言葉もでない手足も動かない、ほとんど寝たきりみたいな状態になってしもて。
僕は農業は学生の時から稲刈りとか田植えとか、ちょっと手伝った事あったけど、ネギは全くしたことなかったし・・。

だけど、そのネギ畑が突然残ってしもたんで、「これお金に換えて」・・・って当時は思ったんやけど(笑)
実際田舎って、農家に生まれたらずっと農家せんなんあかん、農地を守っていかんなあかんっていうのがあるんですよね。

だからまあ、僕にしたら農地を守っていく上で、米やったら、とてもやっていかれんやろと。でも親父が倒れてお金の出入りの管理を見た時に、ネギやったらある程度やっていけるって・・。これやったらやっていけるんじゃないかなと。
勿論サラリーマンじゃなかったし、縫製業やってたんで、まさに兼業農家・・縫製やりながらネギ畑もやって・・。
っていうのが始まりですね。
だからやろうと思ってやったわけじゃないんですよね。

じゃあ仕方なくっていうか・・

そうそうそう、畑ほっとくわけにいかへんし周りに迷惑かけるわけにいかへんし。草だらけにしたら、害虫も発生するし近所に迷惑もかかるし・・。

 

それが「生産法人生産組合」という仕組みにたどりついたのは?

今は農業生産法人・・正式には農地所有適格化法人って言って、
要は農地を持てる法人なんですが、最初は素人農家が集まってネギグループを作った・・・。それが五條市青ネギ生産組合の始まりですね。

 

個人ではなくどうして組合に?

もともと表(外)で仕事していなくて縫製の仕事やったから、こんな(暑い)日でもエアコンの効いた部屋でミシンで縫ったり、生地切ったりしていたけど、それが外行って仕事するようになったら「森本さんとこの息子、親父さんしんどなったさかいえらいがんばっとるな」っていわれますやん。普通田舎やったら。

「あいつどないなったん?人間変わったんちゃうん?朝早よからやっとるし、畑で一生懸命やっとるし。」「いやぁ森本さんやるんやから、よっぽどネギって儲かるんちゃう?」って、そんな噂までたっとたかどうかは知りませんよ(笑)

平成17年あたり・・それこそバブルがはじけたどうのこうのって仕事がない・・・。大阪に働きに行くのも、五條から通勤せなあかんってなって・・。

「五條でなんか仕事ないか?」ってなったときに僕がやっとるネギ見て「ああ森本さんやっとんるんやったらまあ自分らでもできるんちゃうかな?」ってなって僕の周りに一人二人と・・。
定年退職組・・いわばサラリーマンですよね。60の定年なってからパチンコばっかり行かれへん、ゴルフばっかりも行かれん、家には畑ある。それ使こてなんかちょっと汗流して体動かそうって・・。

定年退職組の人も集まって・・。それが一人から二人・・って、ネギ組合立ち上げ時は10人余りになって・・。

そうしたらぼちぼち個人では販売先に対して・・・これはみなさん商売してはる人はわかると思うんやけど、ある程度の規模になってったらお客さんは信頼してくれる・・・けど一人でなんぼ頑張ってネギ作って売りに行ったって、例えば僕が病気になったり、家族に不幸事があったりしたりして「すんません明日ちょっと休まして下さい。」ってゆったらお客さんに迷惑掛けるんですよ。

スーパーにしたら欠品してしもたら、やっぱりスーパーにもお客さんがあるから困る。要は安定した取引先が必要になる。

という事を僕らは常々、それがわかっとたんで、人数が寄ってった時にある程度5人、10人になった時点で組合を作ろうと。
出荷組合ではない、自分らおんなじ様に生産レベルも上げていって・・・。

難しい話になるんやけど・・市場出しとかの百姓家さんは競争ですわ。
だから自分のノウハウは人にあんまりしゃべらない。
「こないしたら、ええネギ出来るねん」「こうやったら儲かるかるねん」、「こういうのやったらなんぼで売れるで」というのはみんなしゃべらない。
でも僕ら(組合)は全部オープンです。

なんでかってゆったらグループやから組合やからみんなで一緒に上がっていく。一人だけ飛び出てもええ目はでけへん!
もし飛び出そうとしたら「お前なんでみな一緒に手引っ張ったらへんねん」っていうのが僕の考え方なんです。

それはやっぱり企業さんに信頼得るために

そうそう、全てそうです。

当時は、ほとんど全員が兼業農家。そんな人の集まりやったもんで。
だからガチガチの百姓家じゃなかったから頭の切り替えが早い。

あかんかったら次へっ行くていう

そうそうそう。
ネギ組合ってしたけど、これネギあかんかって、玉ネギのほうが儲かるで、ってなってたら玉ネギ組合になってたかも、ニンニク組合になってたかもわかりません。

柔軟性があると言う事ですね

そうそう。全員がね。

ええ綺麗な品物ができたら高く買ってもらいたい、っていうのが一般的な農家さんの考え方やと思いますが、僕らはお客さんが望むものを、望む数量、望む日にちに、望む単価で提供させてもらう・・それも業務筋。

安定と言う事ですね

それにつきますね

365日同じ品質で同じ物を・・と言う事ですね

これ・・たいそうな良い方かもわかれへんけど。
うちはネギ売ってるんとちごて、うちは信頼信用で取引させてもらってると思ってるんですよ。

ネギはそんな五條のネギがおいしいんっかっ、てゆったら京都のほうがもっとええのあるしね。綺麗なネギあるんかってゆったら新庄、高田行った方がレベルも上やし。

けどうちは小さい農家の集団。組合員みんな仲よう力を合わせて頑張ってるさかい、お客さんから信頼もろて農業できるんです。


そう考えたら一個人がしよう思うと・・

無理です。

そうですよね

だから組織、グループ組んで・・。

1反ってゆったらほんましれた物やけど、それが10人寄って束ねたらほんますごいモノになった。
それがスーパーさんなり、外食のラーメン屋さんなり、ああいうところが、「まぁ五條さんやったら」と言う事で、取引するようになり。
それはなぜかというと、うちも欠品せずに商品を提供するからなんですよ。

ただ、去年の冬とかはほんまに大変な時もありました。もし欠品しそうな時は、「すんません」ってゆって、文章きっちりこしらえてお詫びに行って。
「こういう事情で大変なんで、何% 減らさせてください」ってお願いに行って。今度また逆に、春になてきて増えてきたときは「お陰様でやっと元の頃に戻りました。去年こういう結果になってしまって迷惑かけたので、今度の冬は絶対迷惑かけないように頑張りますんで」っていう裏付けのような栽培計画の資料を持って、僕が走っていたりね。それがお互いの信頼関係です。

 

そこが一番大事なところなんですね
さっきおっしゃった「ネギを売るんじゃなくて『信頼を売る』」と言う事ですね。

余談になりますけど・・。
ゴーちゃんのシールを貼ったカットネギは、北は東北の宮城県から、南は九州の福岡県まで毎日出荷させてもろてます。

そんなはるばる遠方まで!!

しかし販売に至るまでは営業等の売り込みをされたのですか?
何もしないで向うから「お願いします」って来ないじゃないですか?

何でやろうな・・?(笑)
僕、正直営業も行かんなあかんっていうけど、営業はほとんど行ってないねん。(笑)

へえ

いやこれはほんまに信頼関係ですね。噂が噂を呼んで・・。向うから営業にきてくれました。
五條でネギ作ってるらしいなって、どこで聞いたか調べたのか直接ここに来てくれて商談やって。それで・・こっちから売り込みはあんまり行ってないです。

一番最初の売り先は・・?
ゆったらそこが成功したから徐々に・・っていう・・?

うーーん。市場の仲卸やってる人と付き合いあったんで、そことネギの取引する間に仲卸さんから、「ほんだらここ紹介したるわ」って
行ったんが・・一番最初の頃・・・そういうのがあったかな?

だからスタートはそんなとっから膨れ膨れ・・・。

それと、奈良県とかがやってくれる、商談会とか、マッチングフェアってあるんですけど。ああいったとこへ積極的に参加させてもらいますね。

 

ークラウドファンディングという形態もされてますが

クラウドファンディングも南都銀行さんが紹介してくれて。「『ならクラウドファンディング活用支援事業』ってあるんですけど行きませんか?」ってなって。でも知らんやん(仕組みを)

それから調べたら、あっ、なるほど、資金を日本全国あちこちから共感した人が出してくれる、そういうシステムやなと。これ面白いやんっ!そしたらやろうと。

全国にクラウドファンディングを通じて、「五條こんなことやっとんやな」ってわかってもらえますやん。

このクラウドファンディングの内容が・・・山と川と海の循環っていうんかな?

循環?

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/data/blog/archive/original/39919.jpgに雨が降って川に流れるでしょ。川から水を取って畑のネギを育てる。畑からまた川に流れて海にそそぐ。そしてまた雨となって山に降るんです。この水の循環を考えた時に、なんかストーリーが出来そうな気になったんです。

ネギ組合では、ネギの皮むきの残査やカットくずが多く出ます。川下の漁師さんも、魚のアラとかの不要な物があるはず。
ようするにネギの廃材と漁師さんの廃材を合わせて、オリジナルの肥料を作ってネギを育てる・・・循環型農業の計画を作って、これに投資を集ったんです。

 

まさしく循環ですね!

↑有機物発酵装置 これで発酵土壌のもととなる自家製肥料を作る

まぁ完全には出来てないですけど、気持ちって大事だと思うんです。

それをクラウドファンディングで自分らだけではなく、「こういう取組でやってます」っていうのを、全国にというか・・知ってもらいたい、という想いでクラウドファンディングをやってます。

 

 

 親愛なる「青ネギ」について

ーところでネギの旬はいつごろでしょうか?

ネギの一番美味しいのは、秋から冬ですね。

年中出荷されてますがネギって種を蒔いてからどれくらいの周期で獲れますか?

スーパーで長いネギ買ったら根っこついて売ってるやん。でも普通根っこついてても、刻むのは根っこ以外のところやん。その根っこをプランターに植えるでしょ。ほんだら(またネギの芽が)出来てくるねん。

ああそういえば母が発泡スチロールでネギ栽培してました!

そうそうそう、ほんでまた、おおきなったら切ってって・・・。袋で売ってるネギは根っこごと引っこ抜くけど、カットネギの場合は(根っこの上で)カットするから・・要は畑がプランター状態。

ほんだら1回種蒔いただけで何回も?

そうそう何回も。

何年くらい・・?
ひねどりじゃないけどもうあかんわ・・ってならないですか?

ひねどりやったら硬くておいしいけどな(笑)

ひとつの種まいたそっから一本のネギが出る。一本のネギの根っこが生きとる間は、1年でも2年でも・・・5年でもネギは収穫できるんです。

だから引っこ抜いたら1世代で終わるんで1回こっきり。
だけどうちのネギは地上で切って、必要なところしか収穫せずに残ってるから畑がお母さんが育てていたようなプランター状態になる。

っていうことは効率の面で種まきの手間いらん、苗を育てなくてもいい・・だから種代も少なくてすむ。

ってことは肥料と水だけってことですよね?

だからコストを安くできて、安心安価でお客さんに出せるんです。

 

 

 

カットネギが出来るまで

ーカットネギの工程を教えてください

畑でネギを作るのは想像つきますよね?

それを農家が収穫してここの工場に持ち込む。それを皮(外葉)むいて洗って、スライサーで切って洗って脱水かけて、冷蔵でグンっと冷やして、カップに入れます。

これを箱詰めにしてトラックに積んで、明日の朝には店頭に行きます。

 

 

 

 

ー今 従業員は何人くらいいらっしゃいますか?

社員、パートさん入れて、45人くらいおるかな?

一日の稼働人数は?

一日の稼働人数は、畑のほうで3、4人くらい。
工場の方で20人くらいかな?

そのシフト組んで365日・・・。

365日・・・!

僕、この工場やり始めてから、初日の出は毎年工場の前から見ます・・(笑)

それと今月の15日の花火はここからです。
良くみえますよ!

青ネギの工場は365日休まずにカットネギを作っているんです。

 

 

生まれ育った五條に想うことを教えていただけますか?

想いなぁ・・・想いっていうか、やっぱり僕は心配ですね。
僕は農業通して、おじいちゃんおばちゃんとあちこちで話するわけですやん。そしたら楽しい話とか、うちの孫この年になってなってな・・・とか、そんな話やったらうれしいし、楽しいし、それこそ五條の想いも
語れると思う。
もっと面白い話・・昔からの盆踊り復活さそうとか、今やったらプールでしか泳がれへんけど、昔僕ら小さい時やったら吉野川で泳いだりもしたり、魚釣ったり、スイカが横(の畑)になっとったらそれ盗んだり・・それで怒られて、うちの親父に頭をボッカンって殴られたり(笑)

そんなんあったけど、今そのおじいちゃんおばあちゃんと僕ら農業で出会って話すると、そんな話一切出てこない。

「にぃちゃんなんとかうちの畑、助けてくれへんけ?」
「跡継ぎおれへんでこの畑、タダでええよってもろてくれへんか?家もなんやったら若い子に住んでもろてもええで」って。
そんなとこもでてきて。

それ聞いた時に、この後、5年先10年先の五條市どうなっていくねんっていう心配ですわ。

だから、僕ら確かにネギ屋さんの若い子も増えて来て、大阪からも五條の人口増やすのに、僕らグループも貢献させてもらってる。
Uターンで帰って来て、家の跡継ぎすんのに帰って来たものの、仕事がない・・・。ほんだらどうすんねんって。

その為に、よそさんの畑借りて今、ネギ植えて一所懸命作ってます。
その為に僕が力にならしてもらってると思うんやけど。
でも五條全体からしたら僕らがやってることは、ほんのちょっとの事。

だからこんなままで後、僕らが出来ないとこを、また他の人が手を放してしまった農地なりその家は、これからだんだん荒れていく。
解体して更地になったらまだ草だけで済むけど・・今、空き家問題ってありますやん。街の中で言われてますけど、田舎でも僕ら見ただけでイヤですもん。

僕が通ってるところの帰り道に畑があると「困っとんやさかい、なんとかしたれよ」って言われるんです。通る道は、気にかけますけどその他の道もいっぱい、いろんな話聞くし。
全然知らんおっちゃんから「ネギ作ってくれへんか?」って直接電話かかってくることもあって。

そんなことが、これからどんどん増えていったらどないなっていくねんやろって。

今、ソーラー太陽光やってますやん。これ、僕は良いと思いますよ。ただ、こればっかしになったらどんな景色になるんやろうって。

そうですね、無機質な・・・

僕そんなんいや。
だからちょっとでも出来る事あればやりたいなって思うし、仲間も、そんな想いの子らが寄って来てくれてるし。そんな子らと頑張って、力合わせてやるけど、出来ることって知れてますやん。だからそこをこれからどないしていくんか、逆に僕らから皆さんに聞きたいですわ。

でも森本さんならできると思います!どないか動かせるんじゃないかなと

あのね、やっぱり数字実績に見えるものになってこなあかん。

ていうのは、米ってその時だけやから、なんとかみんな、辛抱して農家ってやるんですよね。米は割に合わんとか金儲けならん・・どうのこうの言いもって。
ネギの場合は毎日食べますやん。だから毎日、出荷できて、毎日売上があるから毎日頑張って作れる。お金にもなるから。みんな頑張ってやってそれで生活する。

要はさっきの五條に絡めると、こないできたらいいなって思うのは、
やっぱり年間通じてずっと、なんか出来るイベントなりを五條の有志というか、みんなで五條の熱い想い持ってる人らが集まってもろてやってほしい。春だけとか、夏だけちごて年間通じて。
五條やったらこんなおもろいもんあるんや、こんな美味しいもんある、でもええやん。ジビエ使こて、いのしし使こて、鹿使こて、そこへネギ使こて、柿も入れて・・。

「なんか五條いったら名物あるんや」っていうのを5万人の森でもいいからどっか集まってやる。ほんだらちょっと、どっかで元気感じるじゃないかな?

そういった人らのとこやったら僕らも一緒に協力させてもらいたいなと思います。

 

 

これからの展望をお聞かせください

この工場をもうちょっと新しく大きくしたい。ほんだらもっとネギ農家さんも増えるし、将来的にはネギだけじゃなく五條にある野菜、なすび、キュウリ、トマト・・そんなお手伝いもできたらなと・・。
ちょっとまだそこまでは時間かかりますけど。/data/fund/3102/negi2.jpg

まずはネギで安定させて、若い子らにも将来の展望を・・・って思いますね。

これからの展望っていうか、これからこうしたいっていう未来図がすごくはっきりしてますね

それは自然とそうなってくると思いますよ。「今のままでええねん」ってゆったらもう成長ないですやん

うちは小さな産地で効率のよくない畑ばっかりやけど、でもそこでみんなで集団化で頑張って作ったネギを安定供給する。

この考えに間違いはないと、思っています。

 

 

 

ネギ畑を訪れた時は凄まじい猛暑の日。そんな炎天下のなか、青々と育つネギを見ながらいろんな想いが乗っているんだな・・と実感させられた訪問でした。
貴重なお話をたくさん聞かせていただいた森本代表!

本日は有難うございました!

 

農業生産法人 株式会社五條市青ネギ生産組合

☆ 住所 ☆   五條市二見5-3-64

☆ TEL ☆   0747-22-0240

☆ FAX ☆     0747-32-8881

☆ http://www.gojo-negi.jp ☆

 

 

 

 

 

 

 

☆スタッフ森子のつぶやき☆
取材に行くまでは、ネギに特別そんなに興味があるわけでもなく・・。
だけど、森本代表が話す、奥深くそして興味深い内容に一瞬でスイッチが切替わる。
青ネギが創る未来。青ネギだからこそ見える未来。
青ネギを通じて五條の「今」と「これから」を問題視する森本代表。
わたしたちも、今の 五條の「現状」そして「未来」をしかっり見据え、「出来ること」「やらなければならないこと」を一個人として、少しでも考えることができたら・・・。
そんな想いにさせられた、森本代表のことば。
昨年、市制60周年を迎えた『五條』の魅力は、まだまだこれから輝きを増していく・・・そんな期待をこの「青ネギ」にこめて・・・。

 

 

 

第24回 ジビエール五條 

獣害対策で被害を減らし ジビエ普及で命を活かす
その架け橋に。

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昨秋に新設された「ジビエール五條」について五條市役所 農林政策課 鳥獣対策係長の泉井さんにお話しを伺いました。

ジビエール五條というのは?

「ジビエ」とはシカやイノシシなど狩猟によって食材として捕獲される野生の鳥獣の肉のことをいいます。日本ではイノシシの「ボタン鍋」などがありますが、まだまだその食習慣や食材としては馴染みが薄いと思います。
「ジビエール五條」は野生の鳥獣達の大切な命を活かせるように、徹底した衛生管理のもとで精肉加工できる処理施設です。

 

―設立に至った経緯は?

五條市の増え続ける鳥獣被害に対応するために平成21年に鳥獣被害防止計画というものができまして、防護、駆除等いろんな対策、活動をしてきました。
しかしながら有害鳥獣とはいえ、イノシシやシカは食肉として昔から取り入れられてきたものであることに再着眼し、命を無駄にすることなく、地域の資源として地域活性化につながればという目的から取り入れようとしたのがはじまりです。

 

―鳥獣被害について詳しく教えてください。

イノシシやサルは田畑を荒らし、特にイノシシは力も強く、鼻先で土を掘り起こし、木枝をなぎ倒し果実や野菜を食い荒らします。シカは木を食害し、柿の芽も食べてしまうといった被害が出ています。アライグマによる被害も多くあります。いずれも、農家の方達が大切に育ててきた農作物、時には建物や人間にも被害を与えるのです。こういった状況は平成17年頃から増え始め、被害は年々増すばかりでした。そこでこれ以上被害が拡大しないよう平成21年に鳥獣防止計画を設定、対策を続けた結果、被害面積、被害金額は平成22年をピークに減少してきています。とはいうもののまだまだ被害は深刻です。

 

―なぜ、被害は増えてきたのですか?

やはり山に食べ物がなくなってきたこと、山間部に猟師さんが少なくなったこと、天敵となる動物もいなくなったこと・・・等の理由から増えすぎた動物は、今まで現れなかった人間の生息域に入り込み、餌を求め田畑を荒らしてしまうのでしょう。今までは恐怖心から近寄れなかった人間にも何代かにわたり人間が危険ではないということを動物達も学んだのでしょうね。

 

―鳥獣防止計画ではどのような計画、取組み、活動を行っているのですか?

最初はどのあたりに生息しているのかということもわかりません。じゃあどうするかと模索するところからはじまりでした。調査をし生息地域の特定をし、罠と猟友会の方達との協力で捕獲駆除をしていきます。捕獲ばかりではなく、防護柵などを整備し畑を守る活動もします。

 

―動物が出そうなところに檻を置くわけですね。

はい。でもそれもそう簡単にはいかないんです。
狩猟、有害駆除、野生動物保護法、いろんな面、角度から計画を進め、法を順守しながら取り組まないといけないんです。例えば狩猟には定められた狩猟期間というものがありますし、有害駆除は誰でもできる訳ではありません。ただただ、獣が出たから捕獲しよう、というわけにはいかないんです。

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罠、檻を設置するのは危険も伴います。現在、イノシシやシカの捕獲檻を150個ほど設置していますが、自治会のご協力もいただきながらですが日々管理点検はかかせません。捕獲情報が入ればすぐに向い、対応します。天然記念物など捕獲してはいけない動物を捕獲してしまってはいけないので、注意が必要です。

 

―具体的に捕獲数はどれくらいなのですか?

昨年度ですとイノシシ、ニホンジカ、アライグマ合わせて約2,000頭になります。

想像していた数と桁が違うので驚きました。そんなに捕獲されているんですか!

 

―ジビエール五條で加工されたジビエ肉はどのような形で流通しているのですか?

道の駅「吉野路大塔」での販売から始まり、今夏からは旧市街地での販売も始めさせていただいています。また和食やフレンチ、中華料理と、いろんなメニューでレストラン、飲食店で味わっていただけます。

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そして、8月に「大切な命、活かすジビエカレー」を発売しました。高たんぱく低カロリーなジビエ肉に五條市特産の柿ピューレを加えています 。

 

 

 

―学校給食でもジビエが提供されたそうですね。

はい。市内の幼稚園、小・中学校でシシ肉を使ったぼたん汁が提供されました。
今後もっと機会を設けていきたいと考えています。

 

―今後の課題などありましたら聞かせてください。

ジビエール五條は昨秋にできたばかりで、まだまだアピール不足なところがありますので、いろんなかたちで皆さんに知っていただき理解していただけるようにしたいです。さらには、ジビエ肉を使った食品のレパートリーを増やし、例えばハム、ウインナー、ベーコンや肉まん、から揚げなども考えていけたらいいなと思います。

s-%e5%ba%83%e5%a0%b1今はまだ、施設としての紹介がメインですが、食育といった教育事業の一環としての場であったり、またジビエメニューの発信などができる「ジビエール五條」であればと思います。

―最後に

鳥獣被害はピーク時に比べれば減ってはきているものの、被害の報告は毎日ほど入ってきます。何より地域住民の安全と農家の方達の大切な財産である田畑を守り、被害軽減できるようこれからも努めていきたいです。そして、今後もっとジビエール五條を理解していただき、ジビエの需要を増やせば駆除の促進につながる架け橋になればと思っています。

泉井さん、本日はありがとうございました。

ジビエール五條についての詳しい情報HPはこちら

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☆スタッフHのすぽっとwrite☆

ジビエという言葉を最近よく見たり聞いたりしていました。そんな中、五條市に誕生したジビエール五條について話を聞かせていただくことができ、ジビエブームと言われ出した背景には、増えすぎてしまった動物達の命を活かすということはもちろん、鳥獣被害農家の方達の悩み、その対策に取り組む方達の思い、他にもいろんなことがあると知り、とても勉強になりました。

すぽっとらい燈とは?