第 56 回  小松産業株式会社 代表  小松 潤さん

 「現状」にとどまらない、たゆまぬチャレンジ精神

 

ー 本日はお忙しい中、お時間いただきましてありがとうございます。早速なのですが、お店を始められたきっかけを教えていただければと思うのですが…

 先代からのお話なのですが、元々は祝箸を作っていたことが、商売の始まりとされてるんですよ。ほら、あの丸い、お正月とかに使う箸があるじゃないですか。

ー 箸… ですか? とても意外です。

台湾で(箸の)工場も建てていたそうなんです。でも、その業績や、箸の業界も景気が悪かったのもあり… その後も箸を続けていたのかというと、続けていなかったそうなので、失敗したんでしょうね(笑)。それで、他にできることはないかと、その当時、先代は「竹の耳かき」を仕入れてきたそうなんですけど、それを粗品として、郵便局さんや銀行さん相手に通販を始めたのが現在の商売のきっかけだとされていますね。

それで、その商材を広めるために、ギフトや粗品を扱っている問屋さんと出会って、その問屋がたまたま、店売りというか、一般個人向けのギフトをやり始めていた時で、先代に、それ(一般個人向けのギフト)をしないかと声をかけられたことから、冠婚葬祭のギフトを始めた、という流れになりますね。その問屋さんが、「シャディ」さんなわけです。

ー 海を渡って工場まで建てて、それでも上手くいかず… ということで、やはりいろいろと苦労を重ねられて、ようやくこの現在の「ギフト屋さん」に辿り着いたのですね…

ー あと、「ギフト」の取り扱いを始められてから。何年くらいになるのでしょうか?

40数年かな… 会社として設立されたのが、西暦でいうと1977年なので、43年目になりますね。

ー 大体自分たちと近い年代ですね(笑) (今回のインタビュアー スタッフF:1980年生まれ  スタッフM:1976年生まれ)

ー 1977年、現在の会社が設立された当時は、先代が社長を務めておられたのでしょうか?

そうですね。当時、まだ自分は中学生でしたので。当時のお店はといいますと、今のこの社屋(店舗)にはプレハブが建っていました。仕入れた品物をプレハブに入れてあって、その一角に、商品を少しばかり並べて、自分の母親が店番をしていて… というところまでは、記憶にあります(笑)。

ー 次の質問なのですが、先代からお店を始められたとのことですが、社長自身は、お店「継ぐ」という考えはございましたか?

高校の時はなかったかな… その後、大学に進学するときに、(親から)経済学を勉強しろと言われたんですけど、自分は工学系を志していたんです。経済学とは畑違いですよね。その時に親子ゲンカをしまして(笑)… その結果でもないですが、「大学を出たら親の言うことを聞く」ということで、後を継いだんです。ですから、大学を出るまでは、自分の好きなこと勉強したい、と。

― 学生時代は、どのような分野を学んでこられたのですか?

機械工学です。でも、「商売を継ぐ」ということを意識し始めたのは、大学の頃ですかね。大学を卒業してからは、まずは問屋さん(シャディ)で4年間お世話になって、こちらへ帰ってきたという感じで…

ー 工学部で機械工学を学ばれたけどギフトの道へ… 畑違いと言えば畑違い…

そうですね。ですから(今の仕事は)あまり向いてないんかなと思います(笑)。

ー 次に、お店に関してのお話をお伺いさせていただきたいのですが、現在、世間においてはギフト屋さんも多数ある中、「小松産業」さんでしかできない、そういった「強み」はございますか?

ウチにしかできないこと… 基本的に「ギフト屋さん」って問屋から仕入れて販売しますので、商品については当然ながら似通った感じで… 何が違うかと言ったらそれはもう、サービスの内容になりますね。そういった点では、ウチはお中元や、お歳暮のカタログを自社で製作している、というところでしょうか。それと、「年間の推奨品」というカタログもあるのですが、それも自社で製作していますね。

ー そうなんですね!私も新聞の折り込みチラシに小松産業さんのカタログが入っているのを見かけたことがあるのですが、あちらは自社で製作されていたのですね。

ええ。チラシとかの印刷物は、基本的に自社で製作しています。そうすることで、ウチで買っていただいたお客様に、特典を打ち出せますので… 問屋さんの既製のカタログやチラシだと、そうはいきませんよね。それ位ですかね… ほかのお店様と違うところと聞かれると。

― でも、その取り組みは大きなことだと思います。私どもも、ガス器具等のPRのチラシを製作する機会も多いのですが、メーカーの既製品だと、その販売店の独自性がなくなりますからね。

 

あと、一昨年から始めているのは、お中元やお歳暮を買っていただいたお客様には、野菜をお渡ししています。昨年でしたら、お中元の時は玉ねぎ、お歳暮の時には白菜をお渡ししましたね。

― そのアイデアも、社長が考案されたのでしょうか?

考案、と言いますか、うちは畑が余っているので(笑)、そこで作った野菜をお客様に提供、ということで。

― いいアイディアだと思います。でもなかなか、自家製で野菜を育てていく、というのも大変なことではないでしょうか?

そうですね(笑)。休みの日なんかはほとんど1日が畑仕事で潰れてしまいますし。

 

小松産業さんの、自社製作のチラシです。写真右、お歳暮チラシの「お鍋」のインパクトが大(笑)

 

 

 

― あと、次の質問なのですが、現在このお仕事(ギフト店)をされて、大切にしておられる、信念であったり心がけ等… そういったものはございますでしょうか?

やはり、「感謝」の気持ちですね。あとは、お客様にはまず、喜んでいただけるようことを、これからもやっていきたい。とにかくお客様には「感謝」です。

― あと、御社のホームページを拝見させていただきまして、その中で、ネットショッピングも運営されておられるということなのですが、現在、インターネット通販全盛の時代において、御社におけるウエイトは、どの程度占めておられるものなのでしょうか?

その分野での売り上げは少ないですね。やはり店頭販売が今なお中心です。

ー そうなんですね。自分の中では、ギフトの販売も、インターネット通販が多くなってきているというイメージがありましたが…

確かに最近は、出産などの内祝いは、他のネット通販さんの業者にとられているというのは事実ですね。でも、うちの店では、うちのネット通販と、店頭で販売している商品の価格は同じなんですよ。でも大概、ネット通販のほうが安いでしょ?ですから「値段」だけで比較されてしまうと、ネットでは売れない。一時期、4年ほど前かな… うちも「楽天」にも出店していまして。その当時は、うちも月200~300万円くらいの売り上げがあったんですけど、結局売るために値引きのさらに値引きとなってしまって、赤字で採算がとれない、ということがありましたので、それ(楽天)は一切やめて、そこから半年くらいはネットショッピング自体も全面的に停止していましたね。

ー 売れたとしても採算が合わない… ネット通販全盛の時代といえど、なかなか一筋縄ではいかないですよね。

その後、ネット通販も再開したさいは、商品の価格は、店頭販売もネット販売も同じにしたのです。近所のお客様も、遠方のお客様も同じ条件で商売をさせていただく、ということですね。

― では、やはり中心は「店頭販売」になる、ということですね。

ー あと、小松産業さんの、ネット上におけるお話をもう少しお伺いさせていただきたいのですが、御社のホームページ上に「冠婚捜査の豆知識」というコンテンツがあったのですが、拝見させていただいたところ、すごく細やかなところまで解説があって、自分も恥ずかしながら、冠婚葬祭のルールやマナーには疎いところがあるのですが(笑)、個人的にはすごく助かります。

― そうですね。あちらは結構細かく編集をしていますね。運営には結構お金がかかっているんですけど(笑)。

驚きました。でも、今の若い方もなかなか冠婚葬祭のルールやマナーを習得することも難しいと思いますので、ギフト店という、冠婚葬祭と密接した事業として、インターネットを通じてそういったことを発信していくのも、大切なことだ思います。

 

 

広く開放感がある店内。数々のギフトが整然と陳列されています。

 

 

こちらは社用車。社長自ら、荷物を積んで配達!

 

 

 

 

― 次の質問なのですが、1977年にこちらにお店を構えられ、ギフト店を営まれておられる立場から、「時代の移り変わり」というのを感じることはございますか?

もう… 十二分すぎるほどにございます(笑)。ギフトのお返し自体も変わってきていますしね。昔は、年忌のときには20~30人、親戚の方が集まったものですが、今でしたら4~5人の身内だけで行う、という風に変わってきていますし、結婚式もいわゆる「地味婚」が多くなりましたね。

ー 最近はそうですね。 自分の周りでも、「盛大に結婚式を行った」というお話はあまり聞きませんしね…

ですから、そういったことが縮小している分、お返しもその分減ってきて…という感じですね。それと、ウチでは扱っていないのですが、お返し等においては、商品券の比率が高くなって、その分商品の比率が落ちてきている、というところで。一時は良かった時代もあったんですけど今は… いわゆる「斜陽産業」であることは否めないといった状況ですね。表現はよろしくないですが。

― そうですか… 「冠婚葬祭」という場面に長年携わっておられて、そういった場面に対する価値観や重みが変化してきているのは、先程もお話しされたように、十二分にお感じになっていると思います。

― 次の質問なのですが、ギフト店は、「冠婚葬祭」の場面においてのお仕事ということで、やはり神経を遣われると思いますが、社長自身はその部分に関しましては?

そうですね… 神経を遣うといえば、これも当たり前のことなのですが、「のし」の文字ですね。出産の場面においては、お子さんの名前、これは「点」がひとつあるないとでは大変なことになりますから。あと、最近の親御さんで多いのは、例えば奥さん側の実家からお返しをする場合、例えば奥さん側の旧姓が「小松」さん、そして結婚されて、現在の姓が「佐藤」さんだとします。この場合、内祝いの名前は「佐藤」でなければならないのですね。でも、「実家から」お祝いをしているので、のしの名前は「小松」と伝票に書いてしまうんです。そして命名札を付けて贈ってしまう… これだと、子供さんの名前は「小松〇〇さん」になってしまいますので(笑)。

ー 結構ややこしい場面もあるのですね。しかも結婚や出産といった、人生の一大イベントですし…

あとは、お葬式の満中陰志でしたら、「喪主から見た続柄」を書かなければならないのですが、伝票にはよく「長男」と書かれるんです。これだと、喪主さんの子供が亡くなったことになってしまいますので… こういう場面だと、その人が本当に長男かどうか確認しますね。続柄の違うものができてしまうこともありますので。そのあたりは十分注意しています。

― 他に気を遣うところは…

納期ですね。年忌とか、結婚の引き出物などは、「その日」でしか役に立たないものですので… 「決まった日にきっちりと届けなければならない」という点では神経を遣いますね。早め早めに(問屋に)注文をかけるんですが、その品物の生産が追いつかない、ということは過去にもありました。最近は「ヒット商品」的なものはあまりないので、そういったこともないですけど、今は「輸入品」に気をつけていますね。これらは問屋に品物がなくなると、納期が普通に1か月以上かかったりしますから。

― 「決まった日にきっちりと」というのは当たり前にできるように思えるのですが、それが人生の一大イベントに関することをお願いされるとなると… とても気を使っておられるのだと思います。

 

壁には掛け時計がいっぱい! ん?このフレーズ、どこかで聞いたような…      https://gojo-gas.co.jp/spotlight/etc/3601

 

― あと、お店に関してなのですが、一日当たりの来客者数はどれ位なのでしょうか?

少ないですよ(笑)。平日なんて、5~10人くらいで、お中元やお歳暮のシーズン時でも、20~30人来たら良いほうではないかな?お客様の出入りだけで見れば、いつ潰れてもおかしくはない、ギフト屋というはそうなんです。中には店舗に来られて、商品を1個単位で買ってくださるお客様もいて、客単価が2,3千円くらいになるのですが、結婚・出産の内祝いや、満中陰志の依頼は、数がまとまって注文をいただければ、その場合は(客単価が)数十万円にもなります。一昔前であれば、満中陰志でしたら、100万円近いお買い上げをいただいたこともありました。ですから、自分たちの商売は、「客単価が多くて、客数が少ない」というものなんです。

― そうですね、スーパー等の小売りのやりかたとはまた趣は違いますよね。

ギフト屋さんは店舗を構えているのですけれど、「お客さんの数」ではないという世界ですね。

― あと、御社のホームページのお話に戻るのですが、「虹の架け橋」という、結婚相談所も、インターネット上で運営されておられるとのことですが、この事業を始められたきっかけはどのような?

先代のゴルフ友達の奥さんが、結婚相談の事業をやっていて、おたくもギフト屋さんやっているんなら、(結婚相談を)やってみたら?ということが始まりですね。

― ギフト屋さんって、冠婚葬祭と密接している業種だけに、結婚相談の事業と一緒に行っているところも多いイメージもあるのですが、そのあたりは?

いや、少ないですよ。自分が知っているのは1件、滋賀にあるくらいかなぁ…

― 意外と少ないのですね!では、小松産業さんは貴重な存在かと… あと、社長自身がそのカウンセラーも務めておられるということなのですが、結婚相談についてのカウンセリングについて、社長自身、経験がおありだったということでしょうか?

いや、ないですね(笑)。そのあたりは、先程お話しさせていただいた、結婚相談の事業を紹介してくれたかたから、いろいろ勉強させていただいてからですね。あと、あと、ウチは「全国結婚相談事業者連盟※」というところに加盟していまして、そちらでも月1回の勉強会がありますので、同業者からのアドバイスや、いろいろ教えてもらいながら、運営させていただいております。

※全国結婚相談事業者連盟(旧 仲人ネットコム)
 
 結婚相談所連盟・仲人連盟とは、中小の結婚相談所が互いに会員情報を共有することで、他の結婚相談所に所属している会員を相互に紹介できる仕組みの事です。そういった団体の中でも、全国結婚相談事業者連盟(旧 仲人ネットコム)は、西日本(近畿と九州)に強い結婚相談所連盟で、加盟店は定期的に法令や成婚率アップのための研修を受けており、勉強熱心な方が多く在籍しています。

― 社長自身もまだまだご研鑽を… というところですね。恐れ入りました。

昔の「仲人さん」といえば、私が結婚した当時の仲人さんはと言えば、仲人さんが、この人とこの人をくっつけたら、ということを、仲人さんが決めて見合いをさせる、という感じでした。でも、今させていただいているのは、入会していただいたかたが相手を探して、お見合いをしたい人を選んで、相手がOKならばお見合いを進めていく… といったスタイルですね。

― このサービスの、反響はどのような感じなのでしょうか?あと、御社のホームページにおきましては、会員数が1万5千人とのことなのですが…

その数字は「全国結婚相談事業者連盟」の加盟店すべての会員数ですね。あとそれと、ホームページの数字は更新前ものなので、会員さんの数は今は恐らく、その倍くらいになっていると思います。

― でも、万単位の会員のかたがいらっしゃるということで、本当に真剣に、結婚をお考えの方が一定数おられるということなのですね。でも、そのお手伝いをする事業って、もちろん大変ではあると思いますし、その一方ですごくやりがいのあるお仕事だと思います。

今は「全国結婚相談事業者連盟」のエリアも関西圏から関東圏へも広がって、会員数も増えてきましたけど、五條だけのエリアに絞って、見合いをしようというのはというのは正直言って無理ですね(笑)。

― えっ、そうなんですか?

やっぱり何といっても人数が少ないですし、人数が少ないだけに、「あの人、どこかで見たことがある」とか、そうなってしまうで、避けられるというケースが多いですね。ですから、離れた土地のかたとお見合いをして、というほうが、最終的に成立しやすいでしょうね。

― そうですね(笑)。五條だけで絞れば、どこかで見たことがある、的なことは必ずあるでしょうしね。あと、社長自身、お見合いのセッティングや段取りを行うこともあるのでしょうか?

いや、そういう事はしなくて、会員同士が、お互い見合いはOKですよ、となった場合、会場のセッティングを行うだけです。そのさいは、どちらかと言えば女性側に便利な立地で、ホテルのロビーで待ち合わせて、ラウンジでお茶をしてもらって、あとは会員さんたちにお任せする… といった流れですね。あと、交際の返事をするのも、昔は仲人さんを通じてでしたが、今はパソコンで、「〇」か「×」をするだけです。

― えっ、何だか味気ない感じ?ですね… でもインターネット上でのやり取りでありば、仕方のないことなのかもしれないですね。あと、当サービスで、成婚までたどり着いた事例はどれくらいあるのでしょうか?

言えるほどもないんですけど(笑)、この3月に成婚されるかたが1組いますね。2月末に最終、(成婚が)決まって、3月にウチを退会することが決まっています。そして9月に挙式… という予定ですね。

― でも、人と人とを結びつけて幸せを見届ける… 本当にうれしいですよね。こういったお話をお伺いさせていただいただけでも、なんだか嬉しくなってきました。自分も十数年前、小松産業さんのこういったサービスを知る機会があったなら…(笑)。

― あと、今後のお店の展開はどのような?あと、どのようなお店を目指していきたいとお考えでしょうか?

これも難しいですね(笑) ただ… 「お客様に愛されるお店」として生き延びたいと。今はそれしかない。でも、「冠婚葬祭」というのはなくなることはないですよね。しかし縮小化の一途を辿っている… そこで何とか新しいことをしながら、今までやってきた事業と並行して行いながら、継続していきたいと考えています。

― そうですね。我々ガス事業も、今の五條市の「人口減・過疎化」の影響に直結する産業なだけに、現在の事業から離れず、社長が今おっしゃられた「新事業」にもチャレンジしていくことも考えなくては… というまさによく似た状況にございます。

 その「新しいこと」のさきがけとして、3/14(土)より、土日祝日限定で、「持ち帰り専用ピザ」を始めます(当インタビュー実施は3/12)。

― えっ!「ピザ」ですか? 今日お店に到着したとき、お店のガレージに置かれていたあの黄色いオブジェ、あれはいったい何だろうな、と。「ひょっとしてピザ窯ちゃうんかな?」思っていたのですがやっぱり!

あちらは元々、ウチの周年事業のときに、お客様に楽しんでもらえることとか、サービスできることはないかな?というのを考えていた時なのですが、ほら、こういったイベントごとって、大概たこ焼きとかそのあたりの提供になるじゃないですか。でも、「たこ焼きじゃオモロないなぁ」ってなりまして、同じ提供をするんなら、何か違うもの… その末、ピザを焼くことに決めて、そしてこの窯を作ったんです。

― 自作… されたのですね。すごい!

 

小松産業さんの秘蔵っ子「ネコ型ピザ焼き窯」。

ちょっとカワイイ?かな?

 

 

「ネコ君ピザ焼き窯」を裏から。本格的な「石窯」のそれです。なんとこのピザ窯を「自作」されたというのだから驚き!

 

でも当初は、「売るため」に製作した窯ではないので、窯のサイズは小さめなんです。でも、ピザも満足に焼けますので、土日だけ始めようかなと。まあウチは元々店頭に来られるお客様も少ないので(笑)。

― あちらのピザ窯、「ネコ」をモチーフとしていますよね?

そのつもりで作りました(笑)。

―「ものの製作」、流石にそのあたりは、大学で機械工学を学ばれていた所以ですよね。

いえいえ、そういう訳でもないんですが(笑)。

 あと、土日限定なのは、平日はやはり本業の配達が混んでいますので… でも、この「ピザ」をとっかかりにお客さんに実際に店舗に来てもらって、「こんな所にもギフト屋さんってあるんやで」ということを知ってもらえれば、ということで「本業のPR」というところも期待しています。

 

ピザのメニューです。定番のマルゲリータからミートソースにジェノベーゼ… 貴方はどれがお好み?

 

ー あと、先程お話に出ましたが、社長自身も配達に出られる?

もちろん。昔は数多くの従業員のかたに来ていただいておりましたけど、業態を変えてきたのと、お話させていただいたように、「お返し」の文化が様変わりしてきて、縮小の道を辿っている… ということから売り上げも落ちているので、正直「人」は雇えない状況です。

― そうですね… やはり「人件費」というのは膨大ですからね…

― あと、次の質問なのですが、五條で長くこうやってお店を営まれてこられた視点から、五條の今後であるとか、こういうところが心配… というお話はございますか?

やはり… 企業をもっと誘致することが必要でしょうね。大学まで出られて、企業がなければ、どうしても学生は外に目を向けざるをえない。五條市の給与水準も他府県等のそれとは比べようもなく… 働き口がないので人口が減っていく。ですから、それなりの企業を誘致して、五條でも働ける場を創っていかないと… 私どもではどうしようもない課題なのですが。ですから我々も、先程お話しした、今までの事業に加えて、何か違うことをしていかないと… ということで。

― そうですね。さらに雇用情勢が、企業の「買い手」市場から、求職者の「売り手」市場へと傾きつつある現在は、やはり求職者の目先が都市部へと向きますからね…  しかし、新しい事業への取り組みに関しては、結婚相談や先程のピザ屋さんの開業… それに向かって一歩踏み出して実行された社長の心意気、そして同じ五條で商売をしている、という点では当社も同じくして、ということで、今回のお話を通じ、いろいろと勉強させていただいたと思います。本日はどうもありがとうございました。

 

(編集後記)

一昔前に比べ「冠婚葬祭」の意味合いが薄れつつある現代。「冠婚葬祭」に密接した事業である「ギフト店」は、当然ながら昔のやり方ではこの先難しい。そんな中で、結婚相談、そしてピザ屋さんへの挑戦。その穏やかなたたずまいながらも、小松社長の「新しいことへ挑戦」していく熱い思いが伝わってきたように思います。当社も小松産業さんと同じく「五條」という地域に根差してお客様へサービスをお届けさせていただいている… 我々の立場からもいろいろ考えさせられた、今回のインタビューでした。

 

  小松産業 ㈱

 〒 637-0036

奈良県五條市野原西4丁目10-28

 TEL  0747-24-2351

 営業時間 9:00~18:30

 定休日    水曜日

 

(おまけ)

新事業」の一つとして、「持ち帰りピザ」の販売を始められたという小松産業さん。早速ではございますが、試食レポをさせていただきます!(既出なのですが…)

 

ピザ」といえば野菜(?)しかしここは野菜の苦手なスタッフ深瀬(;´Д`)  はたして今回チョイスしたのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 さてさて、持ち帰りするとこまでお話が飛びまして(笑)…  箱!「piccolo pino(ピッコロピーノ (お店の名前)」ロゴはもちろん小松産業さんのオリジナル!

 

 

おもむろに箱を開けると… そこにはピザ(当たり前 笑) ということで今回チョイスしたのは「ミートソース」!

 

 

ピザの淵の部分もしっかりと焦げ目が!食欲そそります。ここで雑学。ピザの耳(端っこ)の部分っていろいろな呼び方がありますよね!「ピザの耳」とか「淵」とか「かたい部分」とか…

これって、正式名称があるようなんです。

 

… そこで、ピザの本場イタリアで何というのか調べてみたところ…

cornicione(コルニチョーネ)というそうです。corincione(コルニーチェ・額縁)からできた言葉みたいです。

ですから、ピザを食べてて、「このピザ、コルニチョーネが美味しい!」とか、「ここのピザ、コルニチョーネがちょっと固めやな!」とか言ってみれば、「は?(・_・)」と返されることウケアイ! 

 

ということで、、美味しくいただきました! ネコ窯さんありがとう(^^♪

 

 

 

 

 

当ブログをごらんの皆様も、一度是非ご賞味を! お手軽感も半端ないです!!