社員の「物心両面の幸せ」を原点にして社会に貢献する。弛まぬ努力を続け、そこから得る日々の成長を楽しみ、太陽のように明るくお客様を照らして信頼される明るい会社を目指す。
社名の由来でもある「金陽」。所在が大阪府と奈良県の間にある金剛山の南側に位置し「山の南側は陽当たりが良いので大木もすくすく成長する」と、その大木のように成長することを願い、「金剛山に太陽が燦々とふりそそぐ場所」を表す ”金陽” と付けられた。太陽のように明るい会社でありたい・・・。そんな「金陽製薬株式会社」の代表取締役社長、北山英樹さんにお話しを伺いました。
創業から現在のあゆみ
-会社の成り立ちをお聞かせください
昭和6年におじいさんが創業しまして。最初は「サーブ研究所」っていう名前で創業したんです。そのあと昭和22年に法人化して「金陽製薬」となりました。法人化して80年くらい経ちますね。
ずいぶん長いですね。
じゃあ最初は「サーブ研究所」っていう全く違うお名前だったんですね。
その「サーブ研究所」っていう名前はどこから来たんでしょう?
いやぁ。当時のことはわたしも全然知らないですね。
そうなんですね。
最初はどこに工場があったんですか?
最初は二見・・今、わたしが住んでいる自宅のところが、もともと創業の場所になります。
そこで創業されて・・そこが本社工場・・?
そうですね創業の地ですね。
そこからまた新たに?
そこから次は阪合部(さかいべ)にあります、五條工場っていうんですけど。
昔の阪合部中学校の跡の校舎を利用して、その中に工場を作って。
今もその工場は稼働されているんですか?
今も稼働してます。一部の商品だけ製造してますね。
中学校を工場にということですがほとんど校舎のまま・・?
校舎はそのまま残ってます。
外から見たら中学校・・?
昔のいわゆる木造の瓦屋根の昔ながらの学校っていう感じですね。そこを改造したり増設したり・・なんか迷路みたいになってます 笑
そうなんですね!
阪合部の工場は月に1回2回くらいですね。だから稼働するのは、年に数回程度ですね。主な商品はこちら(現テクノ工場)でしますので。作っているのは2つ・・だけかな。
じゃあ二見から完全に阪合部に移動して
そうです。ほぼ完全移動して。
それで阪合部からこのテクノ工場に来られたんですね。
テクノ工場が新しく建てられれたのは・・?
もう20年くらい経ちます。
そうなんですね。最初、二見で「サーブ研究所」の時は何人でされてたんですか?
サーブ研究所の頃の話って、わたしのおじいさんの頃なので、あまり聞かされてないんです。
北山さんはお生まれに・・?
昭和6年ですから。生まれてないです。
そうですよね。北山さんがお生まれになったときはどの段階でした?
わたしが生まれたときは二見に工場があったときですね。
そしたら小さいときからその工場で・・・?
そうですね。自宅の裏に工場があって、工場の中が遊び場になってましたね。段ボールとか勝手に使って、基地とか作ってよく怒られていましたね。昔ですんで、外でやってるみたいな感じだったので。空調も換気も何もない時代だったんで。
今の設備環境からいうと考えられないですよね
そうですね。その当時はぬり薬を作っていたんですよね。おっきな窯で薬品を溶いて練って作っていました。それを分注して、天日干しして乾かして・・・っていうのは、うっすらと記憶にありますね。
そうなんですね
今はドリンクを主に製造されていますが、ぬり薬からドリンクに移ったのは?
ドリンクになったのは昭和42、3年くらいに、初めてドリンクの製造を始めましたね。
じゃあそれまではぬり薬を・・?
塗り薬以外にも風邪薬、胃腸薬・・結構いろんな物を売ってましたね。
それは自社ブランドで・・?
自社ブランドで、配置販売・・・いわゆる置き薬の薬をずっとやってまして。その当時、置き薬で持って回っている配置委員さんが数名、自社でおって全国に配置販売で入れ替えをしてくださっていました。奈良県内は今でもそういう会社はたくさんありますよね。
奈良県でぬり薬ってゆったら雪の元を思い浮かべますが・・
そうですね。雪の元さん・・ほぼ雪の元さんですね。
そこからテクノ工場に20年前に移られて、ここでは主にドリンクの製造を?
ここは今はドリンクだけですね。
そのドリンクですが、1日の生産量って・・?
時期によって違うんですけど・・夏場忙しい時は1日15万本くらいですね。
15万本!!ちょっと想像がつかないですけど 笑 商品も多種多様ですか?
商品としてはてはドリンク剤だけなんですけど、種類としては多種多様です。
それはすべて自社ブランド?
OEMもPBもたくさんあります。
※OEM:相手先ブランド製造
※PB:プライベートブランド
ほかの商品もすごくありますが、これはそれぞれ取引先があってということですか?
商品は基本的に受託を受けてやっているのが多いので、小売り業者・スーパーや、ドラッグストアとかのチェーン店とか、そういったところの名前のドリンクを作っている数は多いです。
それはドラッグストアさんから委託を受けて・・
そうですね。
個人店舗にも・・ほけん堂薬局今井さんとか、うちの薬局さんとかで販売されていますが
ナショナルブランド商品のアンジェリカに関しては、原材料が奈良県で作っている大和当帰(ヤマトトウキ)なので、できるだけ地元の薬局薬店さんには置いていただきたいな、ということで五條市内の薬局店には置かせていただいてますね。
主要ドリンクはドラッグストアさんから受託を受けて?
そうですね。主要ドリンクは100mlドリンクってゆって、いわゆるリポビタンDのサイズがそうですね。
生産量は15万本ですが出荷量は?
そうですね・・・日によって違いますが10万本とか出荷します。
量産されるドリンクの製造工程
製造工程についてなんですが、いろんな工程があると思うんですが教えていただけますか?
最初、瓶が瓶メーカーから毎朝入荷します。瓶が入ってきたら、瓶を置く機械があるのでそこにそれを置いて自動で排出された瓶を洗浄します。
洗瓶作業ですね
そうです洗瓶です。そして薬液を調合して充填機で充填して、滅菌して、キャップを閉めて、検査をして、ラベルを貼って、ケースに入れて・・という形ですね。
一本の商品を作るまでにいろんな工程があるんですね。
その工程をされる従業員の方の人数ですがどれくらいいらっしゃいますか?
今は53名ですね。
雇用形態はどうですか?
社員さんが多いですね。
53名おられるということですが、それぞれどんな部署があるか教えていただけますか?
製造と試験研究室、管理、営業この4つですね。
従業員の年齢層はどうですか?
平均年齢は・・40歳超えたかな・・?
社員旅行や社内行事といったことはされていますか?
社員旅行は昔やってましたけど・・参加者が減ってきて。でもまた復活してほしいという声も出てきたり・・。ボーリング大会とか年末の打ち上げで景品が当たる抽選会をやったり。
福利厚生の一環として工夫されたりしているんですよね?
お金のかからないように・・・笑
でも仕事だけやったらわからないところも、そういった催しをすることで親交が深まることもありますしね・・。
社員さん同士でご結婚されてる方とかもいらっしゃいます?
最近なかったですけど、去年1組ありましたね。
会社でも家でも一緒となると・・笑
わたしも嫁さんフルではないですけど、会社に来てますけどね・・笑
磨かれたプロデュース力と販売戦略
見た目勝負
Twitterとかも見させていただいたら、アンジェリカに対するプロモーションがすごいですが、わたしも飲ませていただいた「アンジェリカ」が、今いちばん力を入れてらっしゃる商品ですか?
そうですね。この「アンジェリカ」の名前の由来ですが、エンジェルから来てるんですよ。
かわいいお名前ですね。これは誰が考えたお名前ですか?
女性スタッフです。最初もっとガチガチの名前やったんですよ。うちの商標やった「活体元」ってあったんですけど・・・
名前だけ聞いても絶対売れないじゃないですか!笑
アンジェリカのほうが絶対いいです!笑
今はこのラベルがピンク色ですけど、最初2つあったんですよ。最初打ち出したのが「伝承の生薬」って書いた、漢方をイメージした感じのもっと硬い感じだったんですけどね。それをいろんな取引先の化粧品会社に持っていったら「ダサい」って言われたんです。笑
もっと女性寄りにせんなあかんって・・・。それでピンクベースにして名前も変更して・・。
今、流行っている美容系のドリンクはピンク系が多いですしね。そういった部分でイメージが先行されますが、Twitterもイメージ戦略というので大切になってきますね
でも実はTwitterとかSNSをやり始めたのはここ最近なんです。
そうなんですね
まだ2年、3年目に入ったくらいなんです。それまではいわゆる受託加工が多かったんで、お客さんから注文があったのを作って納めているっていう、加工業的な感じだったんです。
まあそれではお客さんからの言いなりになってしまうんで、できるだけ B to C の部分を伸ばしていきたいということで、SNSを利用して・・。アンジェリカなんかはそれに乗っけて、より消費者に近い形でお届けしたい、ということで始めたんですね。
きっかけというか2年前にその戦略でいこうってなったのは何かあったのですか?
やっぱり受託だけでは利益率が低いし、といった面でですね。
それは誰が中心になって・・?社内全体でですか?
そうですね・・副社長が新しく就任して、いろいろ社内改革をせなあかん、ということでやり始めた感じですね。
奥野副社長ですよね?この間FM五條に出演されてたなと思って・・。
FM五條・・実はわたしも3年前に出たことがあるんです。
そうなんですね!
そういったメディアにも露出されているわけですが、販促会議とかはよくされているんですか?
そうですね。各部署で週1回していますね。認識しないといけないということで。
結構バラバラにしていたんですが、週1回月曜日の朝は必ず各部署で集まってミーティングをします。それで意思統一をしてます。
大事ですよね。意思統一・・。人数が多いとその意思統一が難しいですよね。
そのための会議ばっかりになってしまっても、それに対しての資料作りとかで大変になってきて、そこに時間を取られて現場が回らなくなってしまったり・・
まあそこは ”今、営業でこんな企画があって” とか、すべての部署が知っているという形ですね。
そこは横のつながりですね
そうですね。
コミュニケーションですよね。
これだけの人数でも横のつながりが全然やったんですけど、今はかなり風通しがよくなりましたね。
そうなんですね。
でもその風通しがよくなったのは、会議を増やしたことで共通意識がでたからでしょうか?
増やしたというか、そういう会議を持ったことでですね。一週も飛ばずにずっとやっているので。
そうなんですね
昔はいろいろやってたんですが結局、続かないで終わってしまったことが多々あったんですけども、これだけは続けないといけない、ということでやってますね。
この商品から・・・
五條市のふるさと納税の返戻品にもアンジェリカが対象になってますけど
ふるさと納税もいくつかコースがあるんですけど。
そうなんですね。そのふるさと納税を利用するのもアンジェリカの周知の意味でということですか?
そうですね。
そういった意味で百貨店へ販売ブースも出されていますよね?直近では阪急梅田本店に出店されてましたが、それは定期的に?
いえ、県とかの公募があって、大和当帰(ヤマトトウキ)ってトウキのドリンクは ”奈良県漢方のメッカ推進プロジェクト” っていう、県がやっているプロジェクトがあるんですね。それの一環で、昔は奈良県でいろんな生薬を栽培してたんです。でも中国からどんどん安いのが入ってきてどんどん廃れていったんですね。
大和当帰(ヤマトトウキ)とかシャクヤクとか、いろんな生薬の栽培があって効能的にも優れていたんですね。大和トウキっていうのは、すごく栽培に苦労する植物なんですよ。ほったらかしにしてできるもんじゃないので。
でもすごくしっかりした葉っぱだから、手がかからないように思いますが、大変なんですね。
葉っぱの部分と根っこ部分とあって、根っこが育つまでに2年から3年・・。
そんなにかかるんですね
当帰は部位によって食薬区分されていて、茎から葉っぱの地上部は食品として使えるんですが、根っこの部分は医薬品としてしか使えないんです。まずは、大和当帰(ヤマトトウキ)の栽培農家を復活させようということで、数年前から始まったんです。
それが益田農園さん?
益田さんもそのうちのひとつですね。
葉っぱの部分を使った食品だとか、料理にも使ったりとか、少しずつ需要が伸びていて、葉っぱは品薄状態なんです。
そうなんですね。わたしも食べましたけど・・
ちょっと独特・・
ものすごい独特でした 笑
手で持ったらずっと匂いがとれないくらいの!それでそれがおいしいかどうかはさておき 笑 それが体にいいねんでと言われるので・・無心で食べてましたけど 笑 でも全然食べれました。
苦手な人は苦手ですね。
でもどっちかって言ったら和漢って付くくらいやから、まだ日本人の味覚には合ってるのかな?って・・パクチーとかよりも・・
大和当帰(ヤマトトウキ)って昔から、女性の婦人薬によく使われているん原料で。
アンジェリカも冷え性の方によく効くんですよね
そうですね。血行を良くして冷え性を改善するんです。県の施設へ行ってデータとかもとってるんですね。
見ました!血流とかの・・・
はい血流の。実際に検体は少なくて個人差があるんですけど、血流が良くなってあったかくなるっていう。
わたしも極端に冷え性で・・
毛細血管の血流がよくなると血の巡りがよくなるんで、お肌もきれいになって美容にもつながるんです。
いいことばっかりですね。
最近は美容系のドリンクも流行っていますしね。
プロモーション活動
先ほどメディアへの露出というお話も上がっていましたが、関西テレビの深夜の通販番組の”真夜中市場”にもご出演されてましたよね?
ご覧になられてました?
いえ、見てないんですけど、Twitterの情報で・・
あれは・・11月末かな・・?
最近なんですね。テレビ出演ということですが、ご出演のいきさつは?
たまたま商談会で知り合った業者さんで、真夜中市場に商品を納めている会社さんがおられて。 ”この商品面白いから関テレに持っていくわ” って持っていったら、関テレも ”コレ面白い商品やな” ってなって取り上げていただいて。
真夜中市場でああいったドリンク剤を取り上げるのが初めてで、せっかく奈良の商品やし奈良のプロジェクトでやってるんで、せんとくん引っ張ってこれないかっていう話になって。ダメもとで県に頼んだらOKがでて。
それは県と一緒にプロジェクトしてやっているから?
そうです。
最初の県との大和トウキの共同開発のお話はどこから・・?
最初プロジェクトで食品から始まってたんですけど、葉っぱの部分や茎だとか。何年か経って根っこを使った医薬品を手掛けていきたいということで、募集があったんですけど。そこに真っ先に手を挙げたんです。
あぁ募集があったんですね。
それで声掛けがあったんで・・。ドリンク剤では指定医薬品で一番取りやすいので手を挙げさせてもらって・・・。
共同開発となってますがこれはどこと・?
県の施設でデータ取ってもらったり、そこと共同という形で・・。
結局、幅広く活動しないとなんでもつながらないということですよね。
内々にいるだけではなんの発信もできないしつながりもできないし・・。
コラボ商品
阪神タイガースとのコラボ商品がありますが、あれはどちらで売られているんですか?
あれは阪神タイガースのネットでショップとかで販売しています。
じゃあ阪神タイガースさんから依頼があって・・?
そうですね。これもね、3年くらい前にギフトショーっていうのに出店しまして。
東京インターナショナルギフトショーですよね?
そうです。そこで阪神タイガースのバイヤーさんが商品探されてて、たまたまうちのブースに来られて。先方さんで考えているのが「あっ!それやったらうちできます」って、たまたま一致してすぐ直接阪神タイガースさんと取引させていただいて。
そのギフトショーに出展されたのはここ最近ですか?
いやギフトショーは3年前からですね。
その時たまたま・・・
そうです。
すごいですね。その時に金陽製薬さんのブースにいてなかったら話がなかったってことですもんね
そうですね。いいきっかけでいい出会いがあって。
奈良県で活動されているプロバスケットチームの ”バンビシャス奈良” さんの協賛もされてるんですよね?
バンビシャス奈良さんのドリンクも・・?
シカッチェのドリンクも作ってます。バンビシャスの試合会場で売ったりしてますね。
来場者にプレゼントという企画もされてましたよね?
そうそう。
そういうところの販促活動で、認知を高めていく活動もされているじゃないですか?そういうアイデアは誰からどんなふうに出てくるんですか?
せっかくね、阪神とかバンビシャスとかとやってるんで、世間の人に知ってもらいたいのでSNSなどを利用して。始め、わたしもSNSは全然無頓着やったんですけどね 笑 わたしの知り合いの方で、すごいSNSに長けている人がいて・。
その人の知恵を借りながら立ち上げて・・・。
うちも2年前くらいからSNSやってるんですけど、なかなかTwitterにしろインスタにしろフォロワー数が・・ていうところで。発信するけど見てもらえないっていう・・・
さすがは阪神!といったところで、そんな爆発的にとはないですけど、フォロワー数は結構ありますね。
そうなんですね
会議も週1回するとのことですが、新しい企画案などアイデアはどういったところから・・?例えばバンビシャスさんの無料ドリンク配布とか・・
最初はやっぱり副社長からのアイデアからでしたね。いろんなアイデア持ってるんで・・。”こんなんやったらどう?” って。それに皆が一緒にやろかって・・。
旗振る人がおってということですね・・・
そうですね、旗振る人がおってっていう・・。
バンビシャスもひとり、前から熱烈なバンビシャスファンがおりまして。
えっ?社員さんに?その方きっかけということですか?
バンビシャスはその子きっかけですね。
えーそうなんですね!
バンビシャスさんは奈良で活動されているし・・。
そうなんですね、いいですね。
そうやってつながっていく・・つながっていってどんどん輪が広がっていってって。
ドリンクビジネスの成功
すごく販売戦略がしっかりされていて、プロモーション活動がすばらしいなと思いますが、何か大切にされていることってありますか?
アンジェリカは大和当帰(ヤマトトウキ)を使ったドリンクですから・・。
自社として、取り組んでいこうと・・そういう商品がアンジェリカということですね。
今までは滋養強壮系の”24時間戦えますか?”っていうエナジー系ドリンクを
メインでやってたんですけど。どんどん高齢化していって、今後そういったエナジードリンクっていうものが、シュリンクしていくような感じがあるんで。
やっぱり違った路線の物もやっていかないといけないということで。それで今女性をターゲットとしたアンジェリカをやっていって、今後シリーズ化していく予定なんですよ。
そこから波及していくんですね
それと今月、中止になってしまったんですけど ”健康博覧会” っていって、結構おっきな展示会があって、そこでアンジェリカと、アンジェリカの第2弾を開発してるんですけど、その商品をお披露目する予定だったんですけどね・・・。
ちょっとそれがなくなって・・・仕方ないけど残念です。
さっきお話にも上がったエナジー系のドリンクの懸念をおっしゃってましたが、
私の知り合いも、同じようなこと言っていて、30年後にドラッグストアとかに栄養ドリンク置かれてるんかな?って・・
そもそも、エナジー系のドリンクは需要は減ってきているのでしょうか?
いや、今まで飲んできてた世代がどんどん年齢が上がってきて・・。
今の20代の人たちがそういう系で飲むのは ”レッドブル” とかあっちにいってるんですね。
あーっ!うちの子どももそればっかり買ってきてます!
いわゆる瓶のわたしたちが飲むような栄養ドリンクは飲んでるの見たことないですね。
なんの違いなんですかね?同じですよね・・?
同じって言ったら同じですよね。
そういえば昨日も新しい味が出たとかで10本くらい買ってきてましたけど・・笑
”レッドブル” とかは、やっぱりねCMとかですよね。
バチッとハマったんですかね?
いろんなスポーツイベントに協賛もたくさんしてるしね。
わたしもキャンペーン見たことあります
派手なキャンペーンをしてますよね。外資系なんで。最初日本に ”レッドブル” が入ってきたら淘汰されると思いましたが、結構うまく棲み分けできてますよね。
掲げるモットー、理念
社員の ”物心両面、幸せ”を原点にして社会に貢献する”
っていうことを置いてはあります。
素敵ですね・・社員の方の幸せ・・。
そうですよね。働いている方が幸せじゃないとよい商品が作れない、ってわたしもいつも思うんです。自分が幸せじゃないのに何を提供できるんだって・・。
それは皆さんに浸透してる感じですか・・?
浸透していることを願います・・・。でも何年か前と比べたらすごいまとまってきていると思います。
それは3年前から改革をされてきた奥野副社長の影響も・・・?
そうですね。
引っ張っていただいてるのはおっきいです。
その時に、反発とかはなかったですか?どうしても人間、変化を嫌うじゃないですか?変わろうとしたりすると・・・。
ありましたよ!
ありました?
その時どう乗り越えたんですか?
社内のいろんな体系も変えましたから。年功序列みたいなところがあったのをすっかり変えてしまったり。そうなると今までこうやったのにってやってきた人達の反発はありますよね
それをうまく乗り越えて・・・
そうですね。
そこはやっぱり説明して・・。
みんなが納得してなかなか働けないですけど、どこまで妥協してって・・。
仕事って毎日ですしね・・
だからついていけないで辞めた人もいますし・・。
そうですよね・・そういうのはやっぱり起こるんですね。
社長として過ごす一日
北山社長はどのようにして一日をお過ごしですか?
朝起きますよね 笑
朝起きたら会社行きますよね・・笑
会社に来られたら終日おられるんですか?
終日いますね・・一部営業もしているので、外回りもしたりします。
会議とかも参加されますか?
そうですね。
じゃあ社長さんと社員さんの距離は近い感じですか?
距離は全然近いです。
近いですか・・?
いや、近いと思ってるだけかな・・?笑
社長さんといえば社長室に籠りっぱなしのイメージですが・・
一応ね、この奥に社長室があるんですけど、物置になってますね・・笑
えーーっそうなんですね 笑
でもそのほうが会社って円滑に回りそうな感じがしますけどね
直接意見が言えてとか・・・。
工場も時々入って作業しますしね 笑
えええっ!そうなんですね!すごい!
でもそうやって社長さんが気にかけてくださったら、社員の方働く意欲にも繋がるんじゃないですかね。
特に工場って機械やからトラブルも当然あるじゃないですか?
その時の対応とかで大変だったこととかあります?
そらありますよ!
機械の作業ですからね!できるだけ起こらないようにメンテナンスしても、一日機械が止まってしまったり・・。
そんな時は是正処置とかしないといけないんですよね?再発防止策を出してくださいとか・・。
ありますあります!
ちなみに北山社長は全工程できるのでしょうか?
いやいやできないです。笑
入るときは手作業の包装作業です。
すごい!でもどうして入られるんですか?やったほうが現場がわかるから・・?それとも人数が足らないから・・?
いや両方ありますね。人数足らないときは入りますし、どんなんやってるのか?とか、たまに知らん商品があったり・・。笑
北山社長が楽しそうやなって思う工程ってあります?わたしなんか調合とか楽しそうやなって思いますけど・・笑
あー!調合とかはやらせてくれないですね 笑
そうなんですね。
商品開発とかも楽しそうですけどね。
「お客様のニーズに応えて、ソリューションする」とありますが、お客様からの無理難題はありましたか?
いろいろなお客さんから無理難題あるんですけどね・・・。
”ちょっと無理やなこれは”っていうのはありました?
清涼飲料水系は原料の制限がないんで、いろんなもの・・溶けないものとか
混ぜたらいけないものとか・・これ入れてとかいろいろあるんですけど、できるだけそれに対応できるように考えるんですけど。
それは商品開発部署とお客様とで・・
そうですね。できる限り要望に応えられるように・・。
小ロットから迅速対応をモットーにはしてるんですけど。
結構いろいろお話いただくんですけど、10個あったら10個決まるわけじゃないですし・・。
破談になることも・・
破談になることのほうが多いですよ 笑
ここまでやったのにせーへんのかっていうのも・・笑
・・・厳しいですね
あと大変だったこととかありますか?
やっぱり口に入れるものを作ってるんで、菌汚染とかあったら怖いんで、絶対起こさないように、日々の基本的な清掃は徹底してますね。何かあったら・・・特に今はね・・。
そうですね。風評とか・・・。
医薬品※GMP(※医薬品等の製造管理および品質管理に関する基準)とかは特に厳しくて。製造工程のハード面、空調がちゃんと稼働できているか、ソフト面でそういった書類でカバーできているか、きっちり作っていますね。
5年に一回、行政のほうから査察来られて更新があるので。
お客様からの査察もありますよね?
ありますあります。
そのたびに膨大な書類作成だったりが求められますもんね・・
膨大な書類といえば記録書や手順書の改定といったのもありますが、それに気を取られすぎたら作業がおろそかになるっていう懸念もありますよね?
全社ワンチームとなることが、風通しがよくなってって・・そこの期待もありますよね。
生まれ育ったこの五條の地で・・・
二見から始まって、阪合部に行かれて、今は住川でとずっと五條で
お仕事をされてますけど、五條について思うことはありますか?
生まれも育ちも会社も五條なので、五條にはすごく愛着がありますね。まあね、若いころはすごく不便だとかあったけど、それなりに長年住んでるとね・・・。
まさか京奈和道路ができるとは思ってなかったし・・。笑
あれね、初めて聞いたのが小学校の4、5年ごろに、先生から ”ここに道ができるんですよ” って話を聞いたことがあって。
そんな前から話があったんですね
まさかそんなものができるんなて・・50年経ってやっとできましたけど 笑
できましたね 笑
知らんうちにできてましたよね。
そうですね 笑
先日取材先のところでも話題に上がりましたが、京奈和ができたことで便利になった分、早く到着できるので、五條を経由しなくなった、と嘆いてらっしゃいました。五條は保守的っていうか閉鎖的な方が多いともおっしゃってましたが・・・。
革新的に3年前に社内改革をされて、いい方向に向かっていらっしゃいますがこれからの展望は?
アンジェリカを主体にしてシリーズ化していくうえで、B to C によりふった仕事をして、そちらを伸ばしていきたいと思っています。
そちらを柱にして・・今まで言いなりになってやってきましたが・・。
自社で動けるように・・やっていきたいなっていうのはありますね。
ひとつ何か強みがあれば、そこから波及していってって・・・今、ターゲットを絞った販売戦略がほとんどですもんね。なかなか万人受けする商品って難しいし・・・。
ニッチなところを狙って・・笑
なるほど
でもまだまだコレが売り上げに貢献しているのかっていったら、そうでもないですけどね。従来の商品のほうがボリュームが大きいですけどね。
でもそっちがあるから、ニッチなほうもいけるっていう。
そうですね。
そっちがなかったら難しいですもんね。
ニッチな休日の過ごしかた
休日はあってないようなもの感じなんですけど。
休日あるときは、”ぼーーーっとしときたいな” と思うんですけど、ぼーーっとしてたらもったいないから・・。唯一食べ歩きが好きなんで、嫁さん無理やりつきあわせて、「ラーメンいこや」とかいって・・。
わたしもよくラーメン食べに行きますけど、おすすめのラメーン屋さんありますか?
隅田の「中うえ」がおすすめですね。
・・・メモっときます・・笑
社員の幸せを願いながら同時に顧客満足にも務める。
北山社長の大切にされていることに触れることができた・・・そんな訪問でした。
北山社長、本日はありがとうございました。
金陽製薬株式会社
住所 | 〒637-0014 奈良県五條市住川町1420 |
TEL | 0747-22-3451 |
FAX | 0747-25-1232 |
☆スタッフ森子のつぶやき☆
理念に掲げられている『物心両面の幸福』は京セラの創業者 稲森和夫氏も唱えている。
幸福とは・・?
取材を進めていくうちに、ふと、思うことがあった。
北山社長のお話の先には必ず「未来」があるということ。しかも明るい未来が。
この不安定な先の見えない時代に、明るい未来が見えているということの強み。
それはいつの時代も「社員満足」と「顧客満足」の両面から取り組んでいるからこその「明るい未来」なんだと思いました。
これからも太陽ように燦燦と降り注ぐ・・そんな企業であってほしいという願い。
加えて北山社長の人柄の好さが感じられた反面、「和を以て貴しとなす」という言葉のように「調和」に至る努力が重要であるか、ということを学ばせていただけた今回の訪問。
そして”幸福”とは心の調和が大切なんだとわたしなりに感じた、そんな取材でした。