大切な想い出の品で蘇らせる世界でたったひとつのデニムリメイク
田園で主にデニムリメイクの作品を作っていらっしゃる三谷ご夫妻。
前職から異業種に飛び込むことになったきっかけや、デニムとの出会い、デニムにかける情熱などお話してくださいました。
異業種へのチャレンジ
●とてもかわいいお店ですがこのお店を始めようと思ったのは?
(三谷敏行さん 以下敏行さん)
もともと「南和タクシー」ってタクシー屋をやってたんです。
祖父の代からずっとやってきていて・・・。それが10数年前に父が亡くなって。
それから引き継いでやっていたんです。
何年かはやってたんですけど。
やっぱり時代の流れで、タクシーの需要が右肩下がりであるということと、雇っていた従業員さんが高齢化してきたこともあって・・。経営についてどうしよか考え、先行きが見えないなと判断して、思い切ってタクシーやめようと決心しました。
特に何かしようと思ってやめたわけじゃなくて、このまま続けるのは無理だと思って・・。何度も考えて、考えて、考えて、考えて・・・。
それでタクシーを廃業したんです。
その頃うちの嫁さんが、趣味でハンドメイドをやっていて、カバン作ったりして、依託販売したりしてましたので、自分でもできないかなと。今やれることってこんなことかな・・というところからスタートしたんです。
初めて出店したのが、五條市の天ちゅう組の記念イベントに、商工会から声かけてもらって出店したのが初めてなんです。
でもそのころの商品はほんまにひどくて (笑)
こんなんでええんかな?って・・・(笑)
最初木工もやってたんで、古木で棚を作ったり、嫁さんは市販の布で子供用のカバン作ったり。
●フリーマーケットみたいな感じですか?
敏行さん)そうそう。今でこそ、ディスプレイも決めてやってるけど、ほんま適当に並べて今じゃ考えられないやり方がスタートでしたね。
●そうなんですね。でもタクシー業界からまったくの異業種じゃないですか。不安はなかったですか?
敏行さん)いや、不安はめちゃめちゃありました。
全く知識のないことに踏み込むんで、やっていけるかどうかということより、とりあえずやれるとこまでやろうっていうことしかなくって・・・。
それは奥様とお互いがそういう気持ちだったんですか?
敏行さん)と思います。言いませんけど・・。
ただいつも危機感だけは持っていて。人と同じ物、同じ作り方ではお客さん逃げていかはるから・・・。それは始めた当初からですけど。
●一旦南和タクシーをたたもうと決めたときはまだ何をするか決まってなかったんですよね?
敏行さん)全く。
ただ、やめることしか考えてなかったですね、「続けていくしんどさより、一旦切るほうが絶対いいな」って。だからその先のことは何も・・・。
●南和タクシーをやっておられたときはどこでやっておられたんですか
敏行さん)元々須恵でやってたんですけど、引っ越して田園へ来て15年くらい営業してました。
●やめようってなったのは何年前くらいですか?
敏行さん)6年前かな・・。
そんな最近なんですね。
(三谷 恵さん 以下恵さん)未だにここへタクシーに乗りに来る人もいますね。
●最初商工会に出店されたのが初めてとおっしっゃてましたけど、お店が軌道に乗ってきたのはいつ頃ですか?
敏行さん)高田のハンドメイドのショップ依託で・・・商品の値付けはそこからかな。依託ショップの方がすでに出店の経験のある方で、いろんなイベントを教えてくれて。最初は何もわからずイベントがあったら出る、あったら出るを続けてました。
その代わり当たり外れもひどくて。
●そんなに違います?
敏行さん)全然違います。だから出店して(売り上げが)ゼロっていう時もあったしね・・・。
●同じ商品を売ってても?
敏行さん)そうですね。
ほんまにひどい言葉あびせられたこともあるし・・。
「遊びでやってんの?」とか「ええ趣味やな」とか。
こういうハンドメイドの世界を知らない人はまだ多くて・・・。あくまでも趣味的な感じで見る人が多いです。
恵さん)わたしたちの意識は「マルシェ」なんですけど、いまだに「フリーマーケット」っていう人が多いですからね。
●「マルシェ」って”市場”ですもんね。
恵さん)そうです。
だから不用品を売る”フリーマーケット”にはうちは絶対出品しないんです。
●今「マルシェ」のお話がでましたが「blesshandmade」さんはマルシェを中心に
販売されているということですよね?
ここのお店にも来たら販売はしてくれるんですよね?
敏行さん)販売しています。
●そうなんですか。
恵さん)もともと、店はあったんですが、看板も立ててなかったし、外から見てもお店とわからない感じだったんです。出店がメインで、月平均10日くらい出店していたので。制作に追われていたから、お店の内装には手をかけてなかったんです。
●じゃあここは工房だったいうことですか?
敏行さん)そうです。
出店するごとにお客さんが「お店あるの?」って聞いてくれたんですが、あくまでも「家店で工房みたいな感じですよ」って言ってました。
出店がメインだったのがコロナで止まっちゃったんで。「さぁどうしよ」ってなって・・・。時間はあるし、じゃあ今までほったらかしにしていた看板も出して、お店としてオープンにしようと・・・。
●そうなんですね。こちら以外でインターネットでの販売もされていますよね。コロナもいろんなところに影響が出てますが、起こった以上、それに対応しないと仕方ないですしね・・・。
敏行さん)そう。出店予定のイベントが、全部中止になってしまって。
●そらどうしようってなりますね・・。
敏行さん)出店がなくなって売り上げは・・・。出店できない イコール ゼロなんで。ネット販売も以前からやっているんですけど、コロナ以降力を入れましたけど、言うほど伸びませんね・・・。
●ハンドメイドって趣味でやってる方が多いじゃないですか?そことの差別化はどうされてるのかなと・・・?
敏行さん)まず、(デニム)ジーンズリメイクに特化している事と物量、ディスプレイですね。
●でも、ほんとにオシャレですもんね。
全く流通や販売関係に携わっていらっしゃらなかったのに。
恵さん)もちろん主人はミシン経験ゼロでした。わたしは小さい時から服作ったりするのが好きだったからミシンは踏めるけど。主人はミシンの基本も知らないし・・。全くゼロから1年半くらいかかってるかな・・・。
●じゃあもともと器用で・・・。興味なかったり好きじゃなかったりしたら無理ですよね?
敏行さん)プラモデルが小さい時から好きで。大人になってガンプラ(ガンダムのプラモデル)とか、作ったりするのが好きで。
昔、大阪の家具屋さんに勤めてて、手先だけは器用やったんで・・。
●生みの苦しさとよく言いますが・・・。
恵さん)はい。
人が作っていない商品を作っていかないと。だからカバンでも、ちょっと変わったの作るし。なんでジーンズでこれを作るの?っていうのを作ったり。
日傘やったりサボテンやったり・・。
●サボテンすごいなと思って!
このアイデアはどこから・・?
敏行さん)サボテンは別の生地で作ってる人もいてるんですが。
それやったらこれデニムでできへんかな?って思って、何度も試行錯誤を繰り返してやっていたらこの作り方を見つけて。
●めっちゃ可愛いですもん。だって。
敏行さん)サボテンを他でも作ってる方はいてはるんですけど、自画自賛ですけど一番かわいいと思ってるんです。これも何回もモデルチェンジして・・。イベントとか持って行っても「ジーンズでできてるやん」って驚かれたりします。
●こういう商品ってなかなかインスピレーション的なのがないとできないと思うんすが・・。
敏行さん)アイデアが降臨します(笑)
●どんな時にですか?
敏行さん)これや!って!なんか「ふっ」とした瞬間に。寝てて起きたときにも「あれ作れるわ!」っていうのがあるんです。
調子いい時とか(笑)
じゃあそのアイデア浮かんだのは次の日に速攻?
敏行さん)その日に速攻作ります。(笑)
それって順番としたら作図から作るんですか?
敏行さん)図面はないです!(笑)
恵さん)この人はアイデア先です!
敏行さん)アイデアが降りてからだいたい大きさはこれくらいかなとか感覚で・・。だから僕は図面ないんです。
恵さん)後々わたしが製図するんですけどね・・・。
型紙を作って・・。定番商品にできるとなったらきっちり作りますね。
敏行さん)だから、作り方が全然違います。この人はきっちり図りますけど、僕は作りながらここちょっと大きいなって・・。
ターニングポイント~運命の出会い
敏行さん)やっていく中でポイントになる人って、要所要所に出てきて。ある人に会うことによって次こっち、また次、また違う人に会ってまたこっち・・って。有名なイベンターさんに出会ったり・・・。
●イベンターさんっていてるんですか。
恵さん)いてるんですよ。主催者さんなんですけど。そんなイベント界の有名人に偶然会うんですよ。それで話して「じゃあ1回おいでよ」っていうとこからイベントに引っ張ってもらったり。それでそこに出ている人たちに会って、じゃあ○○さんを紹介してあげるわって言ってもらえたり。
やってるうちに、どんどんポイントになる人に出会うことで、今まで残れているのかな。
●外のつながりじゃないですけど、それってタイミングとか・・。
敏行さん)ほんとそうです。
友達とか同級生が材料を融通してくれたりとか。その時その時にポイントになる人が現れてきてくれました。
●でも運って決まっていて、そういう引きつけの運ってあると思うですけど、お二人のどちらが運を引き寄せてると思いますか?
恵さん)運強いのはこの人じゃないかな?
敏行さん)というか僕は好きなんです、そういうの。神さんに手を合わしたりとか・・。普段から悪いことが起こっても、これは次のステップのための悪いことやからとか、誰かが自分たちから離れていったら、「あぁこの人は自分たちからは卒業していってもいい人やったんや」とか。
それで次の人が現れたら「あっ、これは多分、次はその人の波に乗っかれっていう」意味合いなんやなって。
●その思考は昔から?
敏行さん)わかりません(笑)
この仕事やりだしてからかもしれませんね・・。
タクシーやってるうちって、毎日同じ事を繰り返してやってきてただけで、何か新しいことをしようとしてもできないんですよ。タクシーって。陸運局の管轄があるから。
でもこの仕事やったら、今日これしようと思ったらできるし、明日からこれしようと思ったらできる。違う場所に行ってもできる。
だから自由度はめゃくちゃあるんで・・。
●でもスゴイと思います。みんな基本、現状維持を望むじゃないですか。そこから抜け出したり一歩踏み出すのってものすごい勇気いると思いますが・・。
そうでもなかったですか?
敏行さん)いや、やっぱり怖いですよ。やめる時が一番しんどかったですしね。ほんま「どうしよ」ばっかり思ってました。
恵さん)この場所からすべてのタクシーがなくなった時は、しばらく時間止まってる感じしましたね。
●そこから全く違うことにチャレンジするってところが・・・。
敏行さん)だからずっとヘコんでも、もう一回やってみようってなて。”あぁできた!” ”へこむ”・・。の繰り返しで、ほんまアップダウンしながらちょっとずつ上がっていって・・。
●でも登っていってるんですね
敏行さん)イベントにしても出店審査があるんです。応募して審査あって合格して出れるっていう。そういうとこにも、ここまでできるようになったっていう自信が結構明確にあるんです。
たまたまツイてたっていう事もあるし、やっぱり嫁さんが居てたのが大きいですね。この仕事を多分他人とやったらもめてるやろうし、方向性も違うやろうなと思います。
その辺がラクでやりやすかった部分もあるかもわかりません。
●逆に奥さんやから家族やからやりにくかったっていうのは・・。
敏行さん)家族なので言いすぎるところ。これ以上言ったら多分ヤバいなっていうところまで言ってしまうから。
●でもそれはお互いがわかってっていうところですもんね。
恵さん)方向性が違う時もありますよ。カバンの趣味でも、男目線と女目線が違うから。でも今は男の人でも持ってもらえる小物の路線に向かってるので、かわいいのではなくてかっこいい方を目指しているんで、旦那の目線を優先してます。
●インテリアも”男前インテリア”流行ってますもんね
作った作品がちょっと違うな ってなった時の折り合いはどうするんですか?
敏行さん)黙っとく(笑)
恵さん)わたしが作った作品のタグの位置が気に入らんかったら、勝手に外してます(笑)
敏行さん)イベント持っていって売れたもん勝ちです(笑)先に売れたら「なっ!売れたやろ!」って、お互いがやってます(笑)
●仲がいいですね (笑)
でもわかりやすいですよね。やったことに対しての結果がすぐ出るじゃないですか。何年後とかじゃなくて。
敏行さん)僕も接客できるようになったのってここ1年くらいなんです。
そうなんですか?それまでどうしてたんですか?
恵さん)わたしが接客してたんです。
敏行さん)僕は隠れてましたね。棚の後ろに隠れてる・・・。(笑)
でも職人さんのポジションやと思えば・・。
敏行さん)聞かれたことに対しては答えるけど、自ら接客することはなかった・・。お客さん来ても隙間から見てる感じでしたね。。
恵さん)でも今では何でも作れるようになったから、質問されても答えれるようになって接客がスゴイ上手になってきましたね。
要は自信ですよね。
敏行さん)でも、今でも接客は苦手です・・。
●よかった!(笑)
1年前に取材お願いしに来ていたら断られてましたね(笑)
敏行さん)多分、いらん言うてますね。
●これもタイミングですよね!
敏行さん)そうですね。
世界でたったひとつのオリジナル作品
商品について聞かせてください。製作日数はどれくらいですか?
恵さん)材料さえあればすぐ作れますけど、オーダーでジーンズを預かったりして作るのはやっぱり2週間以上はかかりますね。長い人やったら、半年くらい待ってもらう人もいますね。
●そこでスゴイ値打ちが出てきますよね。
恵さん)ジーンズをほどくときも、全部分解した所もお見せして、そこからどういう形にするか何個か提案して。この場所使ってここでこの形にしてって、ちょっとずつちょっとずつ進めていくので・・。
今やってる携帯カバーのオーダー品も、もうすぐ仕上がる一歩前なんですけど、色目とか裏地とかボタンの位置とか、全部一個一個聞いていくので、その人とコンタクト取って、一日一回くらい連絡して、「ここはどうですか?」ってお返事頂いて進めていきますね。
●完全オリジナル作品やから、お互いが妥協できないですしね。
恵さん)そういえば最近驚くオーダーがポンポンと入ってきたんです。
去年の秋くらいにあったイベントで、年配の男性が来られて。
「嫁さんに買って帰りたいねん」って言って。「プレゼントにするわ」って買って帰った人の奥さんから、先月くらいに連絡あって。「持ち込みのジーンズでもできますか?」って。
「私、BLESSHANDMADEさんで主人にカバン買ってもらって、今も大事に使ってるんですけど」って言ってくださって。
「はい。いけますよ」って。言ったら、「実は主人が数か月前に亡くなったんで、亡くなった主人のジーンズで作ってほしいんです。ずっとそばに置いておきたいんで」って。
それが超一流のジーンズでもなく、亡くなる直前に履いていたジーンスでってユニクロのジーンズを持って来られて、今お預かりしています。
「どんな形でもいいです。でも普段使いできる、毎日持てるカバンが欲しいんです」っておっしゃって。
それと、もう少し前に東北の方から連絡が突然あって。
「インスタ見たんですけどジーンズ持ち込みオーダーできますか?」って。サイズこれくらいのジーンズでって、それだったらお子さんのなのでサイズ小さめですよって、話していったら、実は震災で子供3人亡くされて、唯一キレイに残っていたジーンズがこれでって・・それで作ってほしいって。
ここ最近インスタのフォロワーさんも増えてきて、そういう需要があったり・・・故人が履いていたジーンズなんで、うれしいですよね。手元に残ると。
●そういう意味で、ただ物を売るだけじゃなくて、思い出の品をリメイクするのでスゴイ使命感というか・・。
恵さん)すごいプレッシャーです。預かるとなるとほどく作業も、めちゃめちゃ緊張します。
●そうですよね。替えが効かないですからね。それにしてもどちらもステキなエピソードですね。
恵さん)でもビックリしましたね。亡くなった方の遺品を作り変えてほしいっていうのが続いてて。プレッシャーですけどね。
●そうですよね。
恵さん)でも有難いです。
●なかなかそういうお仕事に携わる方っていらっしゃらないですもんね。
恵さん)そうですね。ここにきて、さらにそう思いますね。
お客様との出会い
●よくマルシェに行かれますがどんな方が印象に残っていますか?
敏行さん)作家さんが多いですね。
恵さん)色んな作家さんが居てはるんやけど・・志高い作家さんにやっぱり惹かれますね。
敏行さん)全く考え方の違う人。生き方の違う人・・。自分たちみたいに家業やめて出てきてる人も多いし、服も見るからに作家さんやなって。自分の世界をもってはる人・・・仙人みたいな格好して椅子作ってる人もいてるし。
異業種の作家さんは考え方が「目からうろこ」なことが多くて。出店の仕方も作り方も。
●でも異業種の方から自分のところに取り入れるのはなかなか難しそうじゃないですか?
敏行さん)あれをうちでやったらどうなるやろって。考えますね。
●そういったところで新しいいとこにチャレンジしていく、っていう精神がすごいなと思います。
敏行さん)それをしないと残れないっていうのがあって。僕ら始めたの40代ですけど、僕らが20代の人の感覚で作れっていっても作れないんです。年齢のギャップがあるから何かから常に刺激を受けていないと取り残されるっていうか・・・。
お客さんの年齢をある程度絞っておかないと、僕らが若い人の感覚でやっても多分うちらでは売れないんです。やっぱり僕らが相手する年齢の人らに合うものを常に考えとかないと。そこ外れたらやっぱり残っていけないんですよね。
●リサーチとかマーケティングって大事って言いますもんね。
敏行さん)難しいことは考えてないけど、自分らのターゲットは「これくらいの年齢の人」というのは決めてずっとやってるんで、必然的に、そういう風になっていってるっていうことですよね。だからもっと年をとればまた違うものも作っていくとは思いますが・・
●なんかあります?作りたいのも
敏行さん)今ですか?
●家とか作ってほしいですけど。デニムの。
敏行さん)
するなら新しい店は自分の手で作りたいです。ここに小屋建てて。
●ぜひ壁とかデニムでやってほしいです
恵さん)木工商品を作るなら、デニムが加わった木工しかうちではできないんです。お客さんになんでもデニムって求められるんで。木工作っている人って、技術高い人がいっぱいいてるから。でもその人らと戦おうと思ったら必然的にデニムとひっつけて、ってなってくるんです。
このカレンダーも、本当は木だけで作ればいいんですけど、そこにデニムを貼ってって工夫しています。それでうちの色を出そうと。他の人がマネできないうちだけの商品ですね。
今後もデニムに特化した、デニムから外れないような商品作りにこだわっていきたいです。
デニムの魅力
デニムの魅力とはどんなところでしょうか?
敏行さん)色落ちしてその人の使い方で変わってくるから、それをうちのバッグユーザーさんが「何年も使ってる」、って見せてもらうのがめっちゃ嬉しいんです。キレイに色落ちしてきてるしその人の使いかたでハードに使ってたら色落ち激しいし。キレイに使ってくれてるのを見るとうれしいです。
恵さん)ボロボロの穴が開いたのを持ってこられても、普通の布だったらできないですけど、その味を残したまま修繕できるので、またさらに何年も使える。
●確かに。だってジーンズくらいですもんね。穴が開いててもOKなのって。
恵さん)そうですね。だから穴が開いてた箇所をうまく使ってデザインできますし。
●なんやったら穴が開いてる方が値打ちあったり
恵さん)そうですね。ダメージを求めてる人もいますね。ジーンズのリメイクって捨てるところがないんです。カバン作ったら全部使うわけじゃないので生地が余ってくるんですけど。余ったらブックカバー作ろうとか、全部使えるんです。
これってジーパンを仕入れるんですか?
恵さん)デニムの反物で仕入れるのもありますけど、口とか肌に触れない商品はジーンズのリメイクです。1本のジーンズをバラバラにして使える部分を使います。キレイなジーンズはあまり好まれないんで・・。破れていたりダメージがあるほうが好まれます。
●ジーパンって何本持ってるんですか?
恵さん)常時100本はありますね。
●ジーパンを買い付けて、それを裁断して・・?
恵さん)だから手間はスゴイかかります。買ってきても1回全部洗いにかけてパリパリに乾かして。
●今までに苦労したことは?
敏行さん)とにかく量を作らないといけないので休む間がないですね。ほんとに朝から晩まで作っているので。
恵さん)足が腫れます!ミシン踏みすぎて!関節も痛くなるし、夜に2階にあがろうと思ったら足パンパンになっていてきしむ感じもしますし。
イベントの大小もありますけど、商品が足らなかったら朝からずっと作ってるし・・主婦の趣味ではないので。
五條でお店を構えて・五條について
敏行さん)思えばもうちょっと早くお店にしてたら、もうちょっと早く認知されたんじゃないかなって思います。看板出してお客さんが入って来てくれるようになったんで。出店先でお店があることを言うと、信用してもらえるところもあるんですよ。
そこが強みになったのは確かですね。
●南和タクシーやってるときは、このお商売はできなかった・・?
恵さん)できないですね。タクシーは朝7時くらいから、夜の12時くらいまでやってるんで、とてもじゃないけどできなかったですね
●最初、須恵で・・?
敏行さん)駅前ですね。
●どうですか?五條について
敏行さん)人口が少なすぎますね。何するにも。僕らイベント出て思うのは、お客さんがいっぱい来てるときは当然、売上が高いんですよ。少なかったらやっぱり下がるんですよ。だから人口少ないところで、売り上げ伸ばそうと思うと難しいですよね。
去年おととしとシダアリーナでイベント開催したんですけど、思った以上に集客がなくて、思ったようにはいかなくて。
なんかハンドメイドっていうのが周知されてないのと、人口が少ないから当然ハンドメイドをやってる人も少ないし。イベントも少ないし・・。
うちはイベントがメインなので、イベントをもっとやってほしいなって思いますが五條では少しやりにくいのかな。
今後について・野望
敏行さん)やっぱり出店するよりも、お店をちゃんと構えて毎日ちゃんとお客さんが来てくれるようになりたいです。有名になって・・・。
恵さん)もっと有名になってジーンズリメイクやってゆったらここや(BLESSHANDMADE)ってゆってもらえる店を作らないと・・。
結構、インスタとかには上げてもらえるようになって、ヒット率も高くなってきてるんです。「五條 ハンドメイド」 で検索したらうちがヒットする・・・。できたらそうなりたいですよね。
●今、個人の発信力ってすごいじゃないですか
そうですね。たくさんのフォロワーさんがいればお客さんからのオーダーだけで食べていけるって。
●新しいことや新しい世界に飛び込むのがすごいなと思います。
だけど怖い。40(歳)超えてからのチャレンジっていうのは。
●それでもSNSとかされていますよね
敏行さん)やっぱりSNSをうまく使ってフォロワーさんに認知してもらうことの大切さがここにきてすごくわかります。
インターネット通してでもびっくりするところから注文入るんですよ。沖縄とか東京とか。東京なんていっぱいあるやろうに、なんで・・・?って思います。
●マルシェだと実際お客さんの顔が見れますが、ネットだとなかなかわからない部分もあると思いますが
恵さん)今ってインスタのDMで注文きたりするのが多いんです。それで買ったものをタグ付けして上げてくれたりするので、買っていただいた後にものすごく深くつながったりするんですよ。
だからインターネットって、あって有難い。
この場所(五條)とマルシェだけとなると、発信力がないので・・。
●数が違いますもんね
敏行さん)圧倒的に違いますね。
●時代はYouTubeですが、じゃあ次はユーチューバーですね!
『BLESSHANDMADE』~ブレスハンドメイド
最後にお店のお名前の由来は?
恵さん)わたしの名前なんですよ。
わたしの名前が「恵」っていうんですけど。
「恵」って英語で意味を検索したら「God bless 」
「幸運を祈ります」っていう意味があるんです・・。
でも尊すぎて・・。
屋号変えようかっていう話も出たけど結局これでいってますね。
すごくステキな名前だと思います!
三谷ご夫妻、本日はありがとうございました。
『BLESSHANDMADE』~ブレスハンドメイド
所在地 | 〒637-0093 奈良県五條市田園1-1-2 |
TEL | 080-5711-5991 |
営業時間 | 9:00~18:00(冬期11月~2月 17:00) |
定休日 | 月曜日 ※土・日イベント出店時は休み |
駐車場 | あり |