メガネは顔の一部 だからこだわってほしい メガネからファッションへ
—IWAMOTOさんのお店について聞かせてください。
岩本好司さん(以下、同)昔は兼業店だったんです。要するに時計・宝石・メガネです。 父の代から兼業店でやってましたので、それを引き継いだんですが、25年ほど前からメガネ一本です。見ていただいたらわかるようにお店には時計はひとつも置いてないんです。15年前にこの辺りに大きな台風がきまして、その被害で以前あった店が傷んだのもあって現店舗に移転しました。
-メガネ一本にされたのはどうしてですか?
僕は「ファッション」が好きなんです。だから、ファッション的な感覚でっていうのかな・・メガネって、きますよね?顔の真ん中に・・・ 時計や宝石よりもメガネは顔の一部として最初にバーンと目に飛び込んでくるでしょ?人と会ったとき、会話するとき、やっぱり顔をみますよね?目を見て話しますよね?なのにあまり意識しないんじゃないかなって・・・ 服を選ぶ時ってとても意識するでしょう?色、デザイン、見た目・・・でも「メガネ」となると服を選ぶ時ほど意識しないんじゃないかなって。いや、意識してファッションの一部としてこだわってる方もいらっしゃいますよ。でも大半の方が「メガネ=視力矯正器具」の感覚になってしまってるんじゃないでょうか・・・ そこで僕の感覚としては「メガネ」から「ファッション」にしていってほしいんです。といってもやはり、人それぞれライフスタイルがありますよね。例えば仕事上、ファッション性の高いメガネの制約があったりとかね。昔に比べると時代の変化もあって制約も緩くなってきてるかもしれないですけど、業種によっては当然制約もあるでしょうし。さらにライフスタイルによって「ファッション性」だけでなく「機能的」なものが必要、重視される場合もありますし。仕事上パソコンがかかせない方、加齢等で視力に変化が出てきた方、とにかく丈夫で壊れにくいメガネ、汚れにくいメガネをお探しの方。 最近は機械や設備も大変進んでますから、レンズで視力は問題なく出せます。なので、その部分、視力矯正器具的なものを除いた、アクセサリー的、デザイン的、機能的、個性的という部分をもっと求めて選んでほしいですね。満足のいくメガネをかけた自分の顔を鏡でみてください。明るくハッピーになりますよ(笑)メガネをかけてないと何だかはずかしい・・・メガネをかけてないと、スッピンをみられてるような気分って言ってた方もいましたからねぇ(笑)
—ほんとですね。個性的やファッショナブルなデザインのものがお店に並んでますね。どのようなものを厳選してお店に置いてますか?
メガネにも当然、問屋があります。メガネ店が色々あっても同じ問屋で仕入れたり、いや問屋が違ってたとしても、扱ってる商品というのは決まったもので限られてるもんなんです。 メガネにはメガネの大変いいメーカーがあるんです。だけど、そのメーカーは問屋には入ってない・・・うちはそういうものを扱ってます。ほかのお店とバッティングしない、かぶらないメガネです。そこがチェーン店との違いであり、私のこだわりです。ただ、欠点は値段が高いことですね・・・(笑)チェーン店では、値段的な部分でやはり魅力を感じ購入される方も多いですからね。チェーン店やメーカーには若者に人気のもの、韓流ブームの時、韓国の俳優さんがかけていたメガネが爆発的に売れたってこともありますよ。ただその俳優さんが好きってことで。 それも販売のひとつの戦略ですよね。 タレントさんがCMで宣伝するメガネ、チェーン店での店頭に並ぶメガネ、まず目に飛び込んでくるのは、タレント、デザイン、そして値段でしょう。それは当然のことでしょうね。 お客様のライフスタイルに合ったメガネで、手にとって、内容を知ってもらって、満足いただけるもの。他店にはないメガネとうちのお店で出会ってもらいたいですから。
-このメガネ、フレームが「木」ですか?
そのフレームは「竹」です。京都の竹。黒の斑点があることから「胡麻竹」っていうんです。おもしろいでしょう。 「木」では、100年以上の古民家で使われていた木を使ったフレームがあるんですよ。新しい木は乾燥し切ってない為、反りや歪みなどが生じるんです。ですが長年の間、家を支えてきた木は、乾燥し、繊細なメガネフレームにも加工することができるんです。
—IWAMOTOさんのメガネやファッション、その情報源は?
雑誌であるとか、あと、年に一度10月に東京で開催される世界的に大きなメガネの展示会「IOFT」というのがあるんです。そこでは、メガネに関するありとあらゆるものを展示しているんです。小さなネジから、レンズ、フレームはもちろん、設備機器から、経営コンサルタントまで来ています。 メガネには僕が世界一だと思っているベルギーの「theo(テオ)」をはじめとする海外ブランド、建築設計者が作ったメガネ、金属会社が作ったフレーム、竹や木でできたフレーム、それぞれ素晴らしい機能や特徴をもった国内外の色々なメガネがあります。メガネをかけてる芸能人や政治家をテレビで見るとやはり目がいきますね。例えばテリー伊藤さん、加藤茶さん、こだわったメガネをしてますね。あ、○○のメガネかけてるな・・って。メガネでも服装でも、テレビや雑誌でタレントの方が身に着けているのを見て、かっこいいなとか、感じいいなって思うこと・・・それが情報源となってそれがどこのメーカーのものなのか調べたり、自分に取り入れたりってこと、ありませんか・・・
—IWAMOTOさんはファッションが好きというのがお話から伝わってきますね
始めにもお話しましたが、やっぱりメガネは顔の真ん中につけるものでしょ。 服を選ぶときにこの色綺麗やな・・って思っても、いざ購入するとなると無難な色にいってしまうことってあるでしょ。そこはもっと冒険してほしい。年齢を重ねるほど。僕が好きなファッションスタイルは17歳の時から変わってないんです。「アメリカントラディショナル」が好きでね。流行りや年齢に関係なくずっと着れるし経済的でしょ(笑) とにかく好きなんですわ(笑)ファッションが。だから何度もいうようにメガネもファッション感覚で選んでほしい。それだけのことなんです(笑)みんなおしゃれになってほしいです。
—五條市で仕事をされていて感じることは?
他で仕事をしたことがないので他を知りませんが・・・正直難しいなって思います。 個人店としてやっていくにやはり後継者がいないなどの問題もあり、そこは五條市だけではなくてシャッター街という問題は全国的にもありますでしょう。継ぐ人がいれば、設備投資や店を綺麗に・・・となるんでしょうが、やはり継ぐ人がいないから衰退していってしまうんでしょうね。そこは、冒険できませんもの・・・
—設備機械とはどんなものなのですか?
ここにある、これですが、視力を測る機械と、レンズを加工する機械です。 「撥水レンズ」は表面が大変ツルツルしている為、汚れや傷が付着しにくいという点から見やすいと好評のとてもいいレンズなんです。ところが、フレームにあわせてレンズを加工する際、そのツルツルさが故に滑りやすい。失敗すればもちろん数万円の損失ですし、お客様も待たせてしまいます。だから、技術はもちろん、より失敗が少なく加工できる最新の機械を置いているんです。その設備機械があってこそお客様の満足のいく内容の濃いメガネを自分の店で作れるんです。この機械が壊れたらどうしようって思いますよ(笑)
—どんなお店にしていきたいですか
発展させたいとは思いますし、情報収集や勉強しながらも、今のお店は内容的にも設備的にも整っていると思っています。ただやはり売上、採算がとれないとって話になりますし、自分の年齢的な問題もありますし。 お店をしていて僕だけが「ファッション」を知っててもダメですし、こだわりすぎて特化しすぎた店になってしまってもよくないと思ってます。 「親切に」をいつも心がけて、いろいろ発信していきたいです。みなさん、おしゃれになってほしいですもの。
—IWAMOTOさん、本日はありがとうございました。
メガネのIWAMOTO
住所 奈良県五條市須恵1-7-8
電話 0747-22-3153
営業時間 9:00~19:00
定休日 不定休
☆スタッフHのすぽっとwrite☆
3歳からメガネのお世話になっている私にとって幼い頃のメガネは「視力矯正器具」であるのはもちろん、「メガネ、メガネ」とからかわれた嫌な思い出のひとつでもありました。私の初メガネは真っ赤なフレームでなかなかのインパクトでしたが、そのメガネのおかげで何だか「よくできる子」という事実無根ではありますが(笑)プラスなイメージを持たれたこともありました。それほど、メガネはやはり顔を印象付ける一部ということなのですね・・・ 今でも、仕事に車の運転に、そして老眼?も気になる年頃・・・メガネは必需品。 ますますメガネの有難さを実感する毎日。次のメガネは「冒険」したいと思います。